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ホンダに巡ってきた千載一遇の好機。
「勝てる」レッドブルとの提携へ。

posted2018/05/05 09:00

 
ホンダに巡ってきた千載一遇の好機。「勝てる」レッドブルとの提携へ。<Number Web> photograph by Getty Images

2007年からルノーと組んでいるレッドブルだが、近年ルノーとの関係が悪化していることも背景にある。

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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 ホンダとレッドブルが、アゼルバイジャンGPの2日目、4月28日に2019年のパワーユニット(PU)供給を含めたパートナーシップについての交渉を開始した。

 このニュースは、日本のモータースポーツファンだけでなく、F1のパドックにいるチーム関係者、多くの海外メディアからも注目を集めた。それは、ホンダがこれから提携を開始しようとしているレッドブルが、'10年から4連覇した強豪チームであり、今年も4月に行われた中国GPで見事な逆転優勝を飾っているからだ。

 そのレッドブルがホンダを選んだ。

 会談はレッドブル側からの提案で、アゼルバイジャンGPが開催されているバクー・シティ・サーキットのパドックにあるホンダのホスピタリティハウスの中で行われた。

 レッドブル側からの出席者は、オーナーのディートリッヒ・マテシッツが全幅の信頼を寄せているレーシングアドバイザーのヘルムート・マルコ博士。ホンダ側は山本雅史モータースポーツ部長が出席した。

マクラーレンから三行半だったがなぜ?

 会談は、まずマルコの「ホンダはレッドブルにPUを供給する気はあるのか? あるとしたら、どんな条件で組むことができるのか?」という問いから始まった。山本は「レッドブルは非常に優秀なチームなので、チャンスがあれば(供給を)考えたい」と回答し、ホンダとしての基本的な考えを伝えたという。

 ホンダは昨年、古豪マクラーレンから半ば三行半を突きつけられる形で提携を早期に解消したばかり。そのホンダを、なぜレッドブルが選んだのか。

 それは現在ホンダとパートナーを組んでいるトロロッソがレッドブル傘下にある姉妹チームで、トロロッソを通じてホンダの性能や開発状況を把握し、ルノーとの提携をこのまま続けるよりも、将来が明るいと感じたからだと考えられる。

【次ページ】 27年ぶりに勝てるチームと組める。

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