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数字で見るプロ野球の“最強”選手。
昭和の最強は王と金田、平成は? 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2018/05/10 11:15

数字で見るプロ野球の“最強”選手。昭和の最強は王と金田、平成は?<Number Web> photograph by Kyodo News

数字上では「平成最強の打者」と言える金本知憲。そのバッティングで広島、阪神の主力として活躍した。

通算打率で青木が達成した快挙。

<昭和の打率10傑(4000打数以上)>
1L.リー   .3200
2若松勉   .3199
3張本勲   .3192
4川上哲治  .313
5与那嶺要  .311
6レオン.L  .308
7中西太   .307
8長嶋茂雄  .305
9大下弘   .303
10谷沢健一 .302

<平成の打率10傑>
1青木宣親  .328※
2小笠原道大 .310
3内川聖一  .308※
4松井秀喜  .304
5鈴木尚   .3034
6A.カブレラ .3033
7和田一浩  .3029
8前田智徳  .3023
9A.ラミレス .301
10糸井嘉男 .300※

 読者各位はGW中に歴史的な王座交代があったのをご存じか。通算打率.320で1993年以来、25年間NPB通算打率首位の座を守っていたレロン・リーを、この5月3日、青木宣親が4000打数に達して25年ぶりに抜いたのだ。

 当然、平成のランキングでも青木が断トツの1位。これは平成野球史の事件だと思う。

投手の勝利数には大きすぎる差が。

 続いては投手だ。昭和と平成では、概念が違うと言いたくなるほど変化している。数字で見ても違いが際立っている。

<昭和の通算勝利数10傑>
1金田正一   400勝
2米田哲也   350勝
3小山正明   320勝
4鈴木啓示   317勝
5別所毅彦   310勝
6V.スタルヒン 303勝
7山田久志   284勝
8稲尾和久   276勝
9梶本隆夫   254勝
10東尾修   251勝

<平成の通算勝利数10傑>
1山本昌   214勝
2西口文也  182勝
3工藤公康  177勝
4三浦大輔  172勝
5石川雅規  158勝※
6斎藤雅樹  151勝
7桑田真澄  146勝
8石井一久  143勝
9杉内俊哉  142勝※
10星野伸之 141勝

 昭和の時代は400勝の金田正一をはじめ300勝以上が6人。「神代の時代」と言いたくなる。彼らの中で平成になって投げた投手はいない。

 平成に入り投手の分業が明確になって、先発のシーズン登板数が減少。200勝以上は山本昌だけになった。工藤公康は昭和期の47勝を加えれば224勝になる。現役最多勝は石川の158勝。もう200勝投手は出てきそうにない。

【次ページ】 奪三振数は違えど、奪三振率は……。

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