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「スピースの親友」から世界3位へ。
ジャスティン・トーマスの闘志と嫉妬。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2017/12/10 07:00
全米プロで初のメジャータイトルを手にしたジャスティン・トーマスは、松山英樹や石川遼よりも年下。若い才能は次々と登場している。
2011年にハイスクールを卒業した同期が次々と。
ライバルの勝利、ライバルの成功を、悔しさを噛み締めながら、あえて見る。悔しい気持ちが接着剤となって、その場面は脳裏にしっかり焼き付けられる。だからこそ、闘志が湧く。そしてその相手は、手が届きそうにない遠い存在ではなく、同じ土俵でしのぎを削ってきた同い年のライバルだ。
「アイツにできたのだから、オレにできないはずがない」
次こそは、オレがやってやる――トーマス自身もそうやって世界3位まで昇ってきたのだが、トーマスと同じ姿勢でスピースやトーマスを追いかけているジュニア時代からの仲間たちが、昨季から今季にかけてぐんぐん台頭してきていることは、とても興味深い。
昨季プレーオフシリーズの最終戦、ツアー選手権でトーマスを抑え、米ツアー2勝目を飾ったザンダー・シャウフェレは、その1人。
そのほかにも、エミリアーノ・グリロ、ダニエル・バーガー、そして大学ゴルフの時代を席巻したパトリック・ロジャーズらは、みなスピースやトーマス同様、2011年にハイスクールを卒業した「クラス・オブ・2011」の同期生だ。
米ツアーの勢力図が、まるでかつての米ジュニア界のそれの再現になりつつある。その「再現」を誰よりも見事に実行し、仲間たちに手本を示しているリーダーがトーマス。
彼の強さの根本は、そこに凝縮されていると言っても過言ではない。