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「スピースの親友」から世界3位へ。
ジャスティン・トーマスの闘志と嫉妬。

posted2017/12/10 07:00

 
「スピースの親友」から世界3位へ。ジャスティン・トーマスの闘志と嫉妬。<Number Web> photograph by Sonoko Funakoshi

全米プロで初のメジャータイトルを手にしたジャスティン・トーマスは、松山英樹や石川遼よりも年下。若い才能は次々と登場している。

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舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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Sonoko Funakoshi

 その年に最も活躍したプロゴルファーは誰だったのか。

 選手たちの活躍度を測る物差しは、いろいろある。メジャー優勝、年間勝利数、通算勝利数、米ツアーのフェデックスカップランキングや世界ランキング等々、選手をどこからどう眺めるかによって、評価は変わってくる。

 だが、2017年シーズンに限って言えば、ジャスティン・トーマスこそが躍進度ナンバー1の選手であったことに疑念を抱く人はいないだろう。

 トーマスといえば、日本のゴルフファンには「今年の全米プロで松山英樹を逆転で抑え込んで勝利を奪っていった選手」とインプットされているかもしれない。

 全米プロでメジャー初優勝を遂げたトーマスは昨季5勝を挙げ、フェデックスカップの年間王者にも輝いて10ミリオン(1000万ドル)のビッグボーナス獲得。米ツアー選手たちによる投票で選出されるプレーヤー・オブ・ザ・イヤーも受賞した。

 そして、すでに開幕している2018年シーズンのシリーズでは、韓国で開催された新設大会のCJカップ@ナインブリッジで早々に今季1勝目を挙げ、米ツアー通算勝利数を「7」に伸ばしている。

昨秋にはまだランキングはトップ30圏外だった。

 振り返れば、2015年から米ツアー本格参戦を開始したトーマスが、最終日の終盤に池ポチャするなどの大苦戦をしながらもなんとか初優勝を遂げたのは、2015年の秋にマレーシアで開かれたCIMBクラシックだった。

 ジュニア時代からの親友であるジョーダン・スピースから「おめでとう! ついに勝った」と祝福のツイートをもらったことが大きな話題になったあの当時、トーマスには常に「スピースの親友」という枕詞が付されていた。

 昨秋、ディフェンディングチャンピオンとしてCIMBクラシックに臨もうとしていたころのトーマスの世界ランキングは、まだトップ30にも入らない35位だった。

 だが、そのCIMBクラシックで2連覇を達成したトーマスは、年明けのハワイで2週連続優勝。6月の全米オープンでは優勝争いに絡み、最終日に崩れて9位に甘んじたが、8月の全米プロでは見事に勝利し、メジャー初優勝。

 シーズンエンドのプレーオフシリーズでは第2戦のデル・テクノロジーズ選手権を制し、昨季5勝目を飾った。

【次ページ】 世界3位、しかしスピースはまだ上にいる。

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