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W杯逃したイタリアの混迷は続く。
経済損失2兆円、権力争いにセクハラ。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2017/12/02 09:00

W杯逃したイタリアの混迷は続く。経済損失2兆円、権力争いにセクハラ。<Number Web> photograph by Getty Images

辞任会見で不満をぶちまけたタヴェッキオ会長。イタリアの悲劇を招いた“戦犯”として、不名誉な形でその名を刻んだ。

謙虚な精神がアズーリの戦い方の根本ではないか。

 ふかふかの豪華な革張りの椅子は、しばしば権力の象徴に喩えられる。

 サッカーの世界では国際的発言力や権謀術数が重要で、革張りの椅子に座る類いの人たちによって運営、維持されていることは否定しない。

 かつて代表監督というポストはキャリア終盤の監督にとっての名誉職だったし、ベントゥーラもそう考えていたのは明らかだ。

 だが、時代は変わった。欧州での代表戦線はグラウンド内外ともに熾烈の一途だ。

 サン・シーロで本大会出場を決めた馬鹿騒ぎの後、スウェーデン代表はスタジアムを引き上げる前にロッカールームを片付けた。片付けたから勝てたのだ、などと青臭いことを言うつもりはない。ただ、それを率先してやったのは、他ならぬ銀髪の代表監督アンデルソンだった。

 形こそ違うが、謙虚な精神こそがアズーリの戦い方の根本ではないか。

コンテ、マンチーニ、ラニエリの名が挙がるが……。

 FIGCの新体制は、3カ月以内の新会長選とともに発足する。会長選には、タヴェッキオを裏切ったリーグ機構会長らが立候補すると見られている。新しい代表監督選びはそれからだ。

 前述のアンチェロッティの他に名前が上がっているのは、コンテ(チェルシー)やマンチーニ(ゼニト)、ラニエリ(ナント)の計4人。

 すでにアズーリの指揮経験を持つコンテは、自身の復帰の可能性を否定しながら「新監督は新体制がじっくり時間をかけて選ぶべきだ」と訴えた。

 ようやくイタリア・サッカー再生の道のりが始まる。

 新生FIGCが地道でも真摯な改革を訴えるのなら、まずは会長室の椅子をIKEA製ベンチにしてみたらどうか。

 草サッカーの匂いや謙虚さを思い出す、いい機会になるはずだから。

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