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2年前のレギュラーがほぼ全滅――。
それでも人が集まる湘南スタイル。
posted2017/01/24 11:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
抜かれても、抜かれても、彼らは立ち上がる。
2017年のシーズンもまた、湘南ベルマーレは大幅なチームの刷新を強いられた。'16年のGK秋元陽太、DF遠藤航、亀川諒史、古林将太、MF永木亮太に続いて、'17年はDF三竿雄斗、MF菊池大介、大竹洋平、FW大槻周平らが他チームへ移籍していった。J2をぶっちぎりで制した'14年シーズン、昇格1年目で8位に食い込んだ'15年のレギュラークラスが、この2シーズンでほとんどいなくなってしまったことになる。
今オフの選手流出については、J2降格が影響していただろう。J1に踏みとどまることができていれば、引き続きプレーする選手もいたに違いない。
ただ、ベルマーレの選手たちが他クラブからオファーを受けるのは、一人ひとりの選手が認められていることだけが理由でない。キックオフから試合終了まで全員が足を止めず、つねにゴールを目ざしていく“湘南スタイル”が、眩しい価値観として他クラブから評価されているからだ。
走力に優れ、局面で戦い、諦めない姿勢を貫くベルマーレの選手なら、どんな監督のもとでも、どんなシステムでも機能するはずだという認識が浸透しつつある。
浦和で、鹿島でスタメンを確保する選手が続出。
実際に、移籍していった選手の多くはステップアップを果たしている。
ベルマーレ在籍当時に日本代表デビューを飾っていた遠藤は、浦和レッズで定位置を確保し、ステージ優勝とチャンピオンシップ出場を経験した。永木は鹿島でスタメンに食い込み、昨年11月に日本代表デビューを飾った。それだけでなく、クラブW杯でキャプテンマークを巻いてプレーした。'15年にアビスパ福岡へ期限付き移籍し、'16年にそのまま完全移籍した亀川は、遠藤とともにリオ五輪に出場している。
今オフに新天地を求めた三竿は、現J1王者の鹿島の一員となった。菊池は遠藤のチームメイトとなり、レッズの赤いユニフォームを着る。ストライカーの大槻は、ネルシーニョ監督のもとで戦力の整備が進むヴィッセル神戸へ招かれた。