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2年前のレギュラーがほぼ全滅――。
それでも人が集まる湘南スタイル。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/01/24 11:00
昇格と降格を何度も体験してきた。それでも湘南はJリーグの中で“ブランド”を確立しつつある不思議なクラブだ。
湘南は「日本サッカーのために」と本気で思っている。
歴代の監督が土台を積み上げ、曹貴裁監督が昇華させた“湘南スタイル”は、他クラブの選手を惹きつけてやまない魅力を放つまでになった。それゆえに選手を引き抜かれてしまうのだが、一方で、モダンフットボールに必要な要素を身につけたい選手がベルマーレの門を叩く。だとすれば、ベルマーレのスタイルが絶えることも、錆びつくことも、輝きを失うこともないだろう。
真壁が言葉に力を込める。
「'14年のブラジルW杯で優勝したドイツのブンデスリーガでは、ウチぐらいの走行距離が平均ぐらいなんですよ。日本のサッカーのためにと口にしたら、何を言っているんだと思われるかもしれない。でも、“我々のサッカー”は決して特別ではない。日本代表を強くするためにもベルマーレのサッカーをやり続け、1年でJ1へ戻り、J1へ定着できるチームを作っていきたい」
他チームに選手を抜かれても、“湘南スタイル”は息づいていく。