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安田記念、モーリスが犯した失敗。
ロゴタイプを楽にした「後続にフタ」。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2016/06/06 11:20
2013年の皐月賞以来となる勝利を飾ったロゴタイプ。クラシックを争ったキズナやエピファネイアは既に引退したが、2度目の全盛期は訪れるか。
3年2カ月ぶりの勝利がGI、ロゴタイプ復活か。
モーリスの敗因分析はここまでにして、この豪華メンバーのマイル王決定戦を勝ち切ったロゴタイプの力と、それを引き出した田辺の騎乗、そして、最高の状態に仕上げた陣営の努力を讃えたい。
ロゴタイプは、2012年の朝日杯フューチュリティステークスを勝って2歳王者となり、翌'13年の皐月賞を優勝。その後、勝ち鞍に見放されていたが、3年2カ月ぶりの勝利をGI制覇で飾った。
田辺のGI勝利は'14年のフェブラリーステークス(コパノリッキー)以来2年ぶり。ロゴタイプには、これが3戦連続の騎乗だった。
「きょうもいつもどおり落ちついていた。大レースでお客さんが多くても、あの馬は雰囲気が変わらないからすごい。中山が一番合っていると思っていたのですが、東京でも結果を出してくれた。番手でも競馬ができるし、マイルにこだわらなくていいと思います」
田中調教師にとっては、ロゴタイプの'13年皐月賞以来3年ぶり5度目のGI勝利。
「今年は厩舎の勝利が2つだけで、見えない壁のようなものがあった。それを突き破ってくれる勝利でした。ここまで無事に走ってくれたロゴタイプと、いい競馬をしてくれた田辺君に感謝しています。どこかでまたGIを勝てる馬だと信じていましたが、きょう勝ってくれたことには、正直びっくりしています。次走は中京記念と思っていたので(笑)、今後については、オーナーと相談して考え直します」
ロゴタイプが輝きをとり戻したことで、もともと激戦区だった中距離路線の厚みがさらに増した。
モーリスとの再戦を含め、今後が楽しみになった。