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DeNAの苦境はラミレス采配に問題が。
山崎の「大人扱い」と盗塁積極策を!
text by

小関順二Junji Koseki
photograph byNanae Suzuki
posted2016/05/01 10:40

投手陣は持ちこたえているが、得点力不足に苦しむDeNA。ラミレス監督の手腕にかかる期待は大きい。
マネーボールでは、盗塁の価値を認めていないが……。
野球を客観的データで分析するセイバーメトリクスの先駆けになった『マネー・ボール』(マイケル・ルイス著)は「盗塁すれば戦況が変わる半面、約30パーセントの盗塁は失敗に終わる」と書き、盗塁の戦術的価値を認めていない。その影響もあり、アメリカ野球出身の監督は総じて就任1年目、盗塁の数が少ない。
たとえばロッテ監督に就任したバレンタインは、2004年の49盗塁(4位)から2005年には101盗塁(2位、プレーオフを勝ち抜いて日本一)と数字を倍増させて、結果を出している。
日本ハム監督に就任したヒルマン監督は、1年目に90盗塁しながら5位に沈むと、翌年から45盗塁(3位)、53盗塁(5位)と走らなくなり、それでも結果が出ないので4年目の'06年から69盗塁、112盗塁と走る野球に転換し、2年連続優勝に輝いている。
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ラミレス監督にはこの「走る」という部分で前監督と異なる色を出し、抑えの山崎の扱い方については前監督のやり方を踏襲するという二段構えで、現在の苦境を脱してほしい。
選手の顔ぶれはいいのだから、化学反応が起こればとてつもない力を発揮する可能性がある。
