メルマガNumberダイジェストBACK NUMBER
福西崇史、東アジアカップ緒戦を語る。
ボランチ視点で見えてくる危うさ。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph bySports Graphic Number
posted2015/08/06 17:00
「福西崇史の『考えるサッカー』」、配信は毎週月曜日の予定です。
ボランチの判断が難しい、危険な状況。
――スタメンで表すと、こんな感じですかね。
◇ ◇ ◇
■本来はこれくらいコンパクトにしたかったが……■
川又
宇佐美 永井
武藤雄
山口 谷口
藤春 遠藤
槙野 森重
西川
↓↓
■前線とボランチ以下が分断された形に■
川又
宇佐美 永井
武藤雄
(※この付近に広大なスペースが生まれた)
山口 谷口
藤春 遠藤
槙野 森重
西川
◇ ◇ ◇
福西:これはいつもオレが話してると思うんだけど、前線の選手がボールを持っている相手センターバックやボランチに対して、積極的にプレッシャーをかけにいくとするじゃん。
――前からのプレス、最近よく言われる“前プレ”ってヤツですね。
福西:そうそう。ただ、最終ラインが後ろに引いている状況でプレスをやってしまうと、一番判断が難しくなるのがボランチなんだよね。上の図のように、山口と谷口の前にあるスペースにパスを通されてしまった場合、前線の4人が置いてきぼりにされた状態から守備をしなきゃいけない。
――で、カバーせざるを得ないのでどちらかが潰しに行くと……。
福西:今度は最終ラインとの間にスペースが空いてしまって、そこを相手の前線の選手に使われてしまう危険性が出てくるよね。かといってズルズル引いたら、ボールを受けた選手にやりたい放題にされてしまう。
――で、さっき福西さんが言った通り、後半に入ってからその傾向が特に顕著になりました。
福西:そこに身長の高いパク・ヒョンイルって選手が入ってきたじゃん。その前からシンプルなクロスをけっこう狙ってたけど、彼の投入後はより一層ヘディング狙いで放り込んできたよね。日本の前線がボールの出どころを抑えられていなかった。だから最初も言った通り、試合終盤まで押し込まれるんじゃないか、って予感がしていた。
――最終的にその通りの結果になってしまいましたね。
この続きは、メルマガNumber「福西崇史の『考えるサッカー』」で ぜひお読みください。