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<なでしこの主将が語る>
宮間あや「積み上げた絆に、嘘はなかった」
text by

松原渓Kei Matsubara
photograph byKiyoaki Sasahara
posted2015/08/07 06:00

カナダで行われた女子W杯の激闘から、1カ月が経とうとしている。前回女王として臨み、厳しい戦いを勝ち進んだなでしこジャパンは、ドイツ大会に続く決勝進出を果たし、再び日本を熱狂させた。
その中心には、異なる23の個性が躍動するチームをまとめあげたキャプテン・宮間あやの姿があった。物事を俯瞰する視野の広さはグラウンドの中だけに留まらない。試合前のミーティングで宮間が伝える言葉は毎試合、チームメイトを奮い立たせた。4年間、期待と重圧の中で戦ってきた闘将は、大会を終えた今、何を思うのだろうか。
――9位の成績に終わった3月のアルガルベ杯からW杯までの約3カ月間、チームに何が必要だと感じていましたか?
「前回のW杯で優勝して、オリンピックで銀メダルをとって、その後の約2年半の間でやるべきこと、自分たちができることはすべてやってきたという思いはありました。積み上げて来たものに嘘はないので、“何かが足りない”というよりは、あとは“どう戦うか”という方向性を定めて、みんで同じ絵を描きたいと考えていました」
――大会が始まってからは、1試合ごとに強さを増していった印象があります。チームが上向くきっかけはあったのですか?
「合宿に入った段階で『(勝つのは)自分たちしかいない』『23人全員で戦いきろう』という思いで、自然と良くなっていったと思います。代表で長く一緒にやってきた選手が多いことがプラスに働いたことは間違いないですが、信頼関係があるばかりに『これは出来て当然』とか、やっていないことを『これはできていたな』と勝手に思い込んでいた部分があった。だから、そこをもう一度きちんと見直して、2年半積み上げてきたことを再確認しました」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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