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福西崇史、東アジアカップ緒戦を語る。
ボランチ視点で見えてくる危うさ。
posted2015/08/06 17:00
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「福西崇史の『考えるサッカー』」、
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
<目次>
【1】《福西と茂野のキックオフ前? 雑談》
~ 福島で『MIFA FC』の復興支援マッチに出てきました(1) ~
【2】《東アジアカップ/フラッシュ・コメンタリー!》北朝鮮戦編(1)
~ 間延びしてしまったボランチと前線の間隔 ~
【3】《東アジアカップ/フラッシュ・コメンタリー!》北朝鮮戦編(2)
~ “縦への速さ”と“いなし”のバランス感覚を! ~
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【2】《東アジアカップ/フラッシュ・コメンタリー!》北朝鮮戦編(1)
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~ 間延びしてしまったボランチと前線の間隔 ~
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<北朝鮮戦をサラッとレビュー>
前半3分、代表初出場初スタメンの右サイドバック・遠藤のクロスにこちらも初スタメンの武藤がタイミングよく飛び出し、左足ダイレクトシュートで合わせて日本は幸先よく先制点を奪った。
しかしJリーグの連戦から今大会に入った過密日程、開催地・武漢の暑さの影響などもあったのか、攻撃にリズムがなかなか生まれず、数回訪れたチャンスでも追加点を奪えなかった。
そして後半に入って以降は北朝鮮のロングボール攻勢に苦しむ。特に65分から途中出場した長身のパク・ヒョンイルのマークに苦慮し、77分にパクの落としから同点弾、その10分後にはアーリークロスからパクのヘディングで立て続けにゴールを割られ、逆転負けを喫した。
チャンスで決めきれない前線、低すぎるディフェンスライン。
福西:まず目に入ったのは「最終ライン、ずいぶん低くないか……?」ってところだったんだよね。特に後半に入ってからは押し込まれてたじゃん。
――僕も「どうもチーム全体の重心が後ろにあるなあ」とは感じてました。
福西:それって、前半からだよね。
――そうなんです。遠藤からのクロスで武藤がゴールを奪った時は、非常にいい試合の入り方をしました。
福西:その中で暑さもあったから“体力を温存しながら戦いたい”って思ったのかもしれない。キックオフ時点で33度くらいあったみたいだからその判断は仕方ないところはあったんだろうけど。そんなこともあって、全体的に引き気味で試合を進めていったんだと思う。
――先制点を奪った時間は、3分でした。なので一度受けて相手の様子を見つつも主導権を取り返せればよかったのですが、少し押される場面が目立ちました。
福西:その中でも追加点を奪えそうなシーンもあったよね。
――そうなんです。チャンスを挙げていくと24分の川又、38分の宇佐美、44分の永井のいずれかを決めておけば、展開は違ったのではないでしょうか。
福西:前線が決めきれなかったのはもちろん痛かった。けど、さっきも言った通り、北朝鮮戦は中盤とDFラインを見てて「これ、最後まで耐えきれるのかなあ?」って思ってたのが正直なところだったんだ。
――ふむ。そこをポイントで解説してもらえますか?
福西:この試合、先発のダブルボランチは山口と谷口だったよね。そこの前のスペースがかなり空いていたんだよ。