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マルチな女子高生。
~スイマー渡部香生子、急成長中~ 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byAFLO

posted2014/08/20 10:00

マルチな女子高生。~スイマー渡部香生子、急成長中~<Number Web> photograph by AFLO

ジャパンオープンで1分5秒88の日本新記録を出した渡部は「5秒台が出るとは」と喜んでいた。パンパシフィック選手権でさらなる記録更新はできるだろうか。

 長らく北島康介が引っ張っていた日本の水泳界だったが、ロンドン五輪のあと、新たなトレンドが生まれた。「マルチスイマー」である。男子の萩野公介は個人メドレーのほか背泳ぎと自由形、瀬戸大也も個人メドレーのほかバタフライと自由形で活躍している。萩野も瀬戸も、2年後のリオデジャネイロ五輪で複数種目でのメダル獲得を目指しており、昨年の世界選手権では、その目標に向けたステップとなる成績をすでに挙げている。

 北京五輪で8冠に輝いたマイケル・フェルプス(米国)に代表されるマルチスイマーの活躍は、それでも日本の場合、昨年までは男子選手に限定されていた。女子では、泳法の異なる複数種目で世界大会のメダルを狙えるマルチスイマーはいなかったと言える。

 しかし今年ついにそのレベルに達した女子選手が登場した。ロンドン五輪で平泳ぎ代表だった渡部香生子である。東京・武蔵野高校3年の17歳。渡部が注目されたのは中学3年の時に出場したジャパンオープンの100m平泳ぎで日本歴代2位のタイムで優勝した時だった。高校1年でロンドン五輪に出場したが200m平泳ぎで準決勝敗退。その後はなかなか自己記録を更新できない時期があった。

今年の渡部は平泳ぎ、個人メドレーともにレベルアップ。

 平泳ぎですでに五輪出場を果たした渡部だが、もともとは個人メドレーをやっていた選手だった。昨年、平泳ぎと並行して再び200m個人メドレーに取り組んだ。世界選手権では、この200m個人メドレーのほうで、自己ベストを出したものの準決勝11位という成績だった。

 それが今年、平泳ぎ、個人メドレーの両方で大幅にレベルアップした。まず200m個人メドレーは3月2日、豪州のニューサウスウェールズ州選手権で自己ベストを0秒85更新して日本記録となる2分10秒65。4月の日本選手権では200m平泳ぎで日本高校記録となる2分21秒09。そして6月のジャパンオープンでは100m平泳ぎで、鈴木聡美(ロンドン五輪銅メダル)が保持していた日本記録を0秒44更新する1分5秒88を記録した。この3種目のタイムは、昨年の世界選手権に当てはめてみると、それぞれ次のようになる。

【次ページ】 リオ五輪で3種目メダル獲得を目指すのは妥当な目標。

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