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外国馬に厳しい“アウェー”JC。
GG2強の再戦に割って入るのは?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byEiichi Yamane/AFLO
posted2013/11/22 10:30
この数戦、快勝と不可解な敗北を繰り返しているゴールドシップ(左)。オルフェーヴル、キズナとの初対決も期待される有馬記念に、勝って臨めるだろうか。
外国馬の参戦を阻む、日本の検疫ルールと香港競馬。
また、日本は輸出入の検疫ルールが厳格で、ジャパンカップに出る外国馬は、千葉県白井市の競馬学校内の国際厩舎で5日間の輸入検疫を受けてから東京競馬場に移動する。そうなると使える調教施設も限られてくるわけで、日本馬がフランス入りした日の夜にはシャンティの厩舎に入り、翌日からエーグル調教場のバリエーション豊かなコースで調教できる……という状況とは大きく異なる。外国馬にしてみると、日本は「アウェー」としての条件が厳しいのである。
もうひとつ、12月半ばに、お隣の香港で、1200mから2400mまで、さまざまな距離の香港国際競走があることが、外国からの招待馬の減少につながっていることも確かだ。非常に華やかなイベントで、毎年何頭もの日本馬が参戦しているという状況は、いささか皮肉でもある。
日本の人馬を世界レベルに引き上げる重要な役割を果たしてきたジャパンカップも、そろそろ曲がり角に来ている、ということなのか。
今年も粒ぞろいの3頭が来日したが……。
そんななか、先述したように、今年は3頭の招待馬が来日した。
3年ぶり2度目のジャパンカップ参戦となるジョシュアツリー(牡6歳、父モンジュー、英E.ダンロップ厩舎)は、コース形態や芝の質が日本に似ているカナダのウッドバイン競馬場のGIカナディアンインターナショナルステークスに4年連続参戦し、3勝2着1回という好成績をおさめている。
ドゥーナデン(牡7歳、父ニコバー、仏M.デルザングル厩舎)も、オーストラリアと香港でGIを3勝するなど、旅慣れた強豪だ。
もう1頭のシメノン(セン6歳、父マルジュ、愛W.マリンズ厩舎)は、障害のGIで3着になったこともあるスタミナを武器とする。
なかなかの粒揃いではあるが、「目玉」と言える大物はいない。これらの外国馬は、よくても掲示板というところではないか。