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外国馬に厳しい“アウェー”JC。
GG2強の再戦に割って入るのは?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byEiichi Yamane/AFLO
posted2013/11/22 10:30
この数戦、快勝と不可解な敗北を繰り返しているゴールドシップ(左)。オルフェーヴル、キズナとの初対決も期待される有馬記念に、勝って臨めるだろうか。
ムーアを鞍上に迎え、巻き返しを期すジェンティル。
今年もやはり近年の例に洩れず、日本馬が主役となりそうだ。最大の見どころは、昨年の覇者ジェンティルドンナと、同い年でGIを4勝しているゴールドシップの「GG対決」だろう。
ジェンティルドンナ(牝4歳、父ディープインパクト、栗東・石坂正厩舎)は去年、牝馬三冠とジャパンカップを勝って年度代表馬となったが、今年はドバイシーマクラシック2着、宝塚記念3着、天皇賞・秋2着と勝ち星がない。今回は、鞍上を岩田康誠からライアン・ムーアにスイッチ。2戦2勝と最も得意とする舞台で、オルフェーヴルを撃破した昨年のような煌きをとり戻そうとしている。
気まぐれゴールドシップ、今回は勝つ順番か。
そのジェンティルを、初対決となった今春の宝塚記念で破ったゴールドシップ(牡4歳、父ステイゴールド、栗東・須貝尚介厩舎)。「不沈艦」と呼ばれたように、クラシック二冠と有馬記念を勝った去年は安定した強さを発揮してきたが、今年に入ってからは、鋭さが増した代わりに、拍子抜けするような負け方をするようにもなった。強いときと弱いときの大きなギャップは、気性難で鳴らしたステイゴールドの血によるものか。ただ、年明けからは阪神大賞典1着、天皇賞・春5着、宝塚記念1着、京都大賞典5着と交互に来ているので、順番からすると、ここは1着ということになる。
武器は展開不問の超ロングスパート。それが爆発すれば勝ち、不発に終われば負ける。要は自分の調子次第なのだが、1週前追い切りあたりから本来の豪快なフットワークが戻ってきたようだ。
これら二強に割って入るとしたら、3年前のダービー、昨年の天皇賞・秋と、東京でGIを2勝しているエイシンフラッシュ(牡6歳、父キングズベスト、栗東・藤原英昭厩舎)か。
力のいる洋芝で行われた函館記念と札幌記念で2、3着となり、一転して高速決着となった京都大賞典で2着、つづく天皇賞・秋4着と、能力に「幅」を感じさせるアンコイルド(牡4歳、父ジャイアンツコーズウェイ、栗東・矢作芳人厩舎)の上位食い込みも考えられる。