フットボール“新語録”BACK NUMBER
CL放映権ビジネスに携わる日本人。
岡部恭英が語る、3つのJリーグ改革。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byShinya Kizaki
posted2013/01/28 10:31
CLの放映権やスポンサーシップセールスを行なう『TEAM MARKETING AG』(本社・スイス)で働く岡部。『TEAM』にはいきなり受付に電話を掛けて責任者に電話を取り次いでもらい、面接のチャンスを掴んで就職にこぎつけたという。
資金調達のブレークスルーがなければ発展は停滞する。
また、他国の成功例を知っておけば、アイデアの引き出しが増える。岡部はNBAの中国での取り組みを例にあげた。
「アメリカのNBAはまだほとんどの人が中国に注目してない中、いち早く中国に事務所を作り、20、30年間かけて認知度のアップに取り組んできた。無料でどんどん映像を提供したんです。その結果、ヤオ・ミンの活躍もあって、中国で爆発的なNBAとバスケットボールのブームが起こった。やっぱりアメリカの4大スポーツは、ロングタームの戦略的思考がすごい。今、NBAの北京の事務所には100人規模のスタッフがいます。Jリーグが、長期的観点から、東南アジアとのパイプを強めようとしているのは、すごくいいことだと思います」
岡部はこう締めくくった。
「Jリーグは20年前から急成長して、第1フェーズを終えたところ。これからは、いかにして第2フェーズに移行するか。そのためには改善や改良ではなく、ブレークスルーが必要だと思います」
Jリーグの改革案として秋春制への移行やJ3構想が議論されているが、それは改善にすぎないだろう。資金の流れを根本的に変え、サッカー界の好循環を生むようなブレークスルーが期待される。