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ついに優勝も見えてきた、
アーセナル快進撃の理由。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2010/03/24 10:30

ついに優勝も見えてきた、アーセナル快進撃の理由。<Number Web> photograph by AFLO

アウェイのハル・シティ戦で後半ロスタイムに決勝ゴールをあげたニクラス・ベントナー。数々の失敗にもめげない、ストライカーに必要な図太さを持っている

「まさか」があるかもしれない。アーセナル優勝のことだ。

 アーセン・ベンゲル率いる“ヤング・ガナーズ”は、プレミアリーグの31節を首位に僅差の2位で終え、チャンピオンズリーグでは準々決勝進出を決めている。そのテクニカルで攻撃的なスタイルが「欧州大陸風」と讃えられていることを考えれば、CLでのベスト8入りぐらいは十分に想定された。だが、残り10試合を切ったシーズン終盤でもプレミア優勝戦線に留まっているとは、筆者を含めてイングランドの記者たちはほとんど誰も予想していなかった。

 開幕当初のアーセナルは、補強不足でタイトルレースへの参加すら危ぶまれていた。実際には、シーズン半ばから3位の座を維持するに至ったが、「トップ2」との直接対決、1月末のマンチェスターU戦(1-3)、翌週のチェルシー戦(0-2)に連敗すると、『優勝は絶望的』と国内各紙で書き立てられた。主砲のロビン・ファンペルシが長期欠場している攻撃陣は優勝ライバルを脅かすことはできず、9ポイントに開いた首位との差は逆転不可能と思われたのだ。

首位マンUのファーガソン監督は「アーセナルが怖い」。

 しかし、ターニングポイントは即座に訪れた。

 2月10日の26節、優勝への望みが消滅したはずのアーセナルは1-0でリバプールを退けた。一方、マンUとチェルシーは、それぞれアストンビラとエバートンを相手にポイントを落とした。さらにその後、マンUはエバートンに、チェルシーはマンチェスターCに敗れたが、アーセナルは5連勝を飾り、一気に首位との差を2ポイントに縮めたのだ。

 この先、マンUとチェルシーは4月3日の直接対決でポイントを奪い合う。その点アーセナルは、4戦4敗に終わったとはいえ、ライバルとの直接対決を終えている。4月以降は、トットナムとマンC以外は下位勢としか当たらない。マンUの他にリバプール、アストンビラ、トットナムとの対戦も残しているチェルシーに比べればはるかに楽だ。首位で30節を越えたマンUのアレックス・ファーガソン監督も、ここに来て「アーセナルが怖い」と繰り返している。

【次ページ】 「本来の持ち場」で好調を取り戻した攻撃陣。

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