Jリーグ観察記BACK NUMBER
絶望的な観客動員数――。
今こそナビスコカップの改革を!
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/10/08 08:02
10月5日名古屋対新潟戦、延長前半に名古屋のFW永井謙佑がヘディングを一度GKに弾かれるも押し込んで同点に追いつき、逆転の足がかりに。両チームあわせて8ゴールが決まる白熱した試合となったが、観客数はいまいち。後ろにはガラガラのスタンドが見える
改革と英断のためには理事会から利害関係者の削減を。
たとえば、すでによく語られているアイデアでもあるが、J1の上位9チームと、J2の上位9チームによる大会にしたらどうだろうか。
具体的には1部と2部の入れ替えを考慮して、前年のJ1の1~9位と16~18位の12チーム、前年のJ2の最終順位が4~9位の6チームとする。現在のJ1ではACLの出場権獲得と残留争い、J2では昇格争いというのが順位表の主な見所だが、そこに新たなボーダー(境界)が加わり、リーグの方の盛り上がりも期待できる。
だがもし仮にこういう改革をしようとしたら、J1の下位チームは参加できなくなって収入が減るため、恐らく猛烈な反発があるだろう。だが、全員の声を聞いていたら、意味のある改革などできない。
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現在のJリーグの理事会は、J1クラブの関係者が多い。常任理事15人のうち6人が、J1クラブの現職のトップだ(甲府の海野一幸社長、G大阪の金森喜久男社長、川崎の武田信平社長、浦和の橋本光夫社長、名古屋の福島義広専務、広島の本谷祐一社長)。
最終的にJ1実行委員会の反対で見送られたJ2勢のナビスコカップ参加に関しても、理事会が後押ししていれば結果が違ったかもしれない。直接の利害関係がある人たちの数を減らせば、もっとしがらみにとらわれずに改革できるはずだ。
たとえばイビチャ・オシムのような、外国人の有識者をナビスコカップの改革委員長として招いたら……。それだけでプレミア感が生まれそうである。