ジーコ・ジャパン ドイツへの道BACK NUMBER

2006年 VSドイツ (2/2)  

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木ノ原句望

木ノ原句望Kumi Kinohara

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photograph byKazuhito Yamada/KAZ Photography

posted2006/06/02 00:00

 日本は攻撃のよさを見せた反面、守備の課題も露呈した。

 後半31分、35分の失点はいずれも相手のFKにゴール前で合わされてのもの。マークについていても、相手に振り切られたり、高さを使われてゴールを流し込まれた。

 ジーコ監督は「本大会でも起こりうる。リスタートのチャンスを与えないこと」と、得点のきっかけとなるFKを与えないように、修正の必要性を強調した。

 勝ちきれなかったのか。それとも強豪国相手に善戦したのか。

 試合後にそんな質問が報道陣から投げかけられたが、日本の指揮官は「伝統国相手にも勝ち方はある」と手応えを口にした。

 高原も、ドイツ記者の「今季のリーグでは1得点だけなのに」という批判を尻目に、自分のプレーに自信を得た。

 「体の状態が上がっている。もっと良くなると思う。FKからやられたことは反省すべきだが、W杯前にここで結果を残せたことは気持ちがいい」

 勝てば慢心し、気の緩みが出ていたのかもしれない。負傷者の件は別として、手応えと課題の両方を手にできたこの1戦の意義は小さくない。日本は、 6月4 日に本大会前最後の調整試合となるマルタと対戦する。そこで改めて課題をチェックし、良かった部分に磨きをかけることが重要だろう。

 「ここまで順調に来ていると思っている」。ジーコ監督はそう言った。

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