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半世紀ぶりに蘇ったビル・ラッセル伝説。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
posted2009/03/12 00:00
リアルタイムで現役時代を見ていないからか、ビル・ラッセルというと大きな声でよく笑う人という印象が強い。'50年代終盤から'60年代にかけて王朝を築いていたボストン・セルティックスの大黒柱。現役時代は競争心の塊のような選手だったらしいが、75歳の今ではすっかり好々爺。彼の「ウヒャ、ヒャッ、ヒャッ」という笑い声を聞くだけで訳もなく嬉しくなり、つられて笑ってしまう。現セルティックスのレイ・アレンが「あの笑いには伝染性がある」と描写していたが、まさに言い得て妙だ。
そのラッセルが言葉を詰まらせ、大きな手で顔を覆っていた。NBAファイナルMVPを「ビル・ラッセル・NBAファイナルMVP賞」と呼ぶことになり、2月14日に発表記者会見が行われた、その冒頭でのことだった。