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「巨人史上No.1投手」は何者か? 門限破りの常習犯、ドラフト1位で“プロ野球13連勝”の童顔18歳…大谷翔平のポストシーズン“伝説の1日”を超える天才
text by

太田俊明Toshiaki Ota
photograph byKYODO
posted2025/10/27 06:00
「巨人史上No.1投手」といわれる堀内恒夫の現役時代
2017年の菅野vs1966年の堀内
堀内のベストシーズンは、入団1年目(1966年)になる(赤字はリーグ最高、太字は生涯自己最高)。
【菅野】登板25、完投6、完封4、勝敗17-5、勝率.773、投球回187.1、被安打129、与四球31、奪三振171、防御率1.59、WHIP0.85
【堀内】登板33、完投14、完封7、勝敗16-2、勝率.889、投球回181.0、被安打125、与四球69、奪三振117、防御率1.39、WHIP1.07
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沢村賞の選考基準になっている登板数、完投数、勝利数、勝率、投球回、奪三振、防御率を見ると、登板数、完投数、勝率、防御率の4項目で堀内リード。勝利数、投球回、奪三振の3項目で菅野リードだが、例によって時代の差が大きい登板数と完投数、投球回は参考に留める。
当企画で重視している“打者圧倒度”の比較では、1試合当たりの被安打数は、堀内の6.22に対して菅野は6.20と、ほぼ互角。1試合当たりの奪三振数は、堀内5.82に対して菅野は8.22と、これは大きく菅野がリード。
防御率は、堀内1.39に対して、菅野1.59と堀内リード。WHIPは、堀内の1.07に対して、菅野は0.85と、こちらは菅野リード。WHIPで菅野が大きくリードしているのは、四球数の違いが大きい。1試合当たりの与四球数は、堀内の3.43に対して菅野はわずか1.49。堀内もノーコンと言われた割にはそれほど多くは四球を出していないが、菅野の1.49は、日本プロ野球史上最高の制球力と言われる稲尾和久の1.60をも上回る驚異的な数字である。
拮抗した好勝負だが、堀内が勝っているのはチーム力にも負うところも大きい勝率と防御率であり、ONをバックに黄金期にあった巨人のエースだった堀内の数字は多少割り引いて見る必要があるだろう。
より多く三振を奪い、四球を含めてより少ないランナーしか出さなかった菅野に軍配を上げる。

