テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平…衝撃は怪物相手の本塁打だけでない「ナイター翌朝10時半、大谷もカーショーも山本由伸もベッツも」練習の虫だった
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2025/07/17 11:01
ブルワーズ戦での大谷翔平。全米注目の剛腕ミジオロウスキー相手にホームランを叩き込んだ
登板翌日のミジオロウスキーは「ウォーターバッグ」を担いでブルペンでシャドーピッチングをしていた。
さらに登板翌日のクレイトン・カーショーもグラウンドに現れ、山本と15分間、みっちりキャッチボールを行っていた。「練習の虫」として知られるムーキー・ベッツも遊撃でノックを受けていた。ベッツの送球を一塁で受けたのはキャッチボール後のカーショーだった。
年間162試合を戦い抜くために、しっかりとコンディションを整えることも重要だが、超一流に登り詰める選手はやはりタフだと感じざるを得ない光景だった。
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その後、ロバーツ監督は試合前の囲み取材について「翔平は土曜日(12日=日本時間13日)に投げる」と明言。なぜ、前日は登板日を明かさず、この日は明かしたのか。前日とこの日で何か状況が変わったのか。それともやはり戦略上の理由なのか。これはもう少し取材が必要そうだ。
6連敗にロバーツ監督は険しい表情で
試合は1点リードの9回に守護神タナー・スコットが同点に追いつかれ、延長10回に力尽きサヨナラ負けを喫した。2019年4月8日~13日以来、6年ぶりの6連敗。特に打線に元気がなく、この6日間で2得点以下は5試合を数え、ロバーツ監督は「厳しい状況。何とか打開策を見つけなければいけない」と険しい表情を浮かべた。大谷は先頭弾を放った8日の試合後に「しっかりボール球自体は見極められている」と話したように、7回にも四球を選び好機を演出したが、3試合ぶりの無安打で得点につなげることはできなかった。
試合後の取材を終え、再びシカゴに戻り、空港で原稿を書き終えると、慌ただしくサンフランシスコ行きの便に乗った。移動時間は約4時間40分。時差は再び2時間戻る。レンタカーを借り、サンフランシスコの空港近くのホテルに到着したのは深夜2時。メジャーリーガーはもちろん記者もタフでなければならない。〈つづく〉

