テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「憧れるのをやめましょう。トラウトやベッツが…」大谷翔平がWBC優勝直後に語った“あの名言”の真意「尊敬の眼差しが弱気に」「対等な立場で」
posted2026/03/14 11:04
日本代表としてWBC連覇を狙う大谷翔平。“あの名言”を口にした真意を前回大会決勝後に語っていた
text by

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
Nanae Suzuki
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泣いていたように見えたが…即答「汗ですね」
2013年のドミニカ共和国以来、史上2度目となる全勝優勝へ王手。決勝の相手は2連覇を狙う米国だ。MVP3度を誇るエンゼルスで同僚の主将トラウトと初めて対戦相手として、同じグラウンドに立つ。「トラウトは今の野球の中のトップにいる選手。日本人にとっても米国代表とやるということは特別なこと」と言い切った。
DHでのスタメンに加え、展開によっては抑えで登板する可能性もある。
「本当に行く気でつくります。早めに点を取って良いリズムで最後のほうにいければ(登板できれば)十分に勝てるんじゃないかなと思う」
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子供の頃から目指した夢舞台。なりふり構わず頂点をつかみにいくことを堂々と宣言した。
3月21日。試合後の大谷は泣いていたように見えた。優勝メダル授与のセレモニーで、不自然なほど、目の周りを何度も拭っていた。優勝会見では認めはしないと分かっていても、聞かないわけにはいかなかった。拭っていたのは、汗か、涙か――。
大谷は「汗ですね」と即答し、イタズラっぽい笑みを浮かべた。
ベッツを併殺に取り、トラウトを…
漫画を超えた結末だった。ダルビッシュからの継投で登板すると、先頭の2022年首位打者のジェフ・マクニールに四球を与えたが、2018年MVPムーキー・ベッツを二ゴロ併殺。世界一まであと1人の2死、エンゼルスの同僚でMVP3度の現役最強打者トラウトを迎えた。
「トラウトとは最後できないかなと思ったら併殺になって、最高の形で迎えられた」
カウント2−2からボールになったが、この日最速の101.6マイル(約163.4キロ)を計測。最後は驚異の曲がり幅17インチ(約43センチ)のスライダーで空振り三振。魂の15球だった。声にならない歓喜の雄たけびを挙げた大谷は両手を広げ、グラブ、帽子をグラウンドにぶん投げた。歓喜の輪にのみ込まれ、何度も跳びはね喜びを爆発させた。

