テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平…衝撃は怪物相手の本塁打だけでない「ナイター翌朝10時半、大谷もカーショーも山本由伸もベッツも」練習の虫だった
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byIcon Sportswire/Getty Images
posted2025/07/17 11:01
ブルワーズ戦での大谷翔平。全米注目の剛腕ミジオロウスキー相手にホームランを叩き込んだ
一方、チームはこの1点に終わり5連敗。6月16日の投手復帰後は大谷の取材対応は登板日のみだったが、この日は試合後の球場通路で待っていると球団広報から「He's coming(彼が来る)」と担当記者全員にメッセージが届いた。彼とはもちろん大谷だった。
米メディアの1問目にミジオロウスキーの印象について問われ「どの球種もアグレッシブに素晴らしい球種で、何よりも制球が良かった」と話した。剛速球ではなく、この日最も光った制球力に言及するのが大谷らしかった。同じような剛速球を武器とするスキーンズとの初対決でも「スピードよりアングルやリリースポイントが特徴的」と話していたことを思い出す。自らが投手をやっているからこそ分かるその投手の本質を感じることができるのだろう。
じつは…大谷が最も悔やんでいた場面が
日本メディアに質問の順番が回ってきたので、私はそこまで出ていなかった本塁打の打席について「追い込まれた状況で最後にカーブを打ちましたが、100マイルの速球がある中でどういう待ち方、どういう感触だったのでしょうか?」と質問を投げかけた。すると、大谷はコンマ1秒ほど考えて「いつもと同じですかね」とポツリ。続けてこう語った。
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「普段と変わらずに基本的にはストライクをしっかり振る。球種問わずストライクをしっかり振って難しい球はなるべく手を出さない。シンプルですけど、そこに尽きるかなと思います」
もっとも、大谷が最も悔やんでいたのは3回無死二塁の2打席目。8球目に同じカーブで空振り三振の場面だったという。
「欲を言えば最悪でも進塁打を打てれば。(二塁走者を還せれば)2-0で少し違う展開になっていた」
6回の3打席目は内角直球を見極め、四球を選んだ。怪物との名勝負は3打席で終わったが、そのたびに球場が沸いた。
大谷は言った。
「しっかりボール球は見極められている。そういう打席が増えれば安打におのずと近づくし、本塁打も増えると思う。クオリティーの高い打席を増やせればいい」
全米注目の怪物対決。後半戦開幕の18~20日(日本時間19~21日)に再び3連戦が待っている。
ナイター翌朝10時半、大谷も由伸もカーショーもベッツも
《7月9日 vsブルワーズ(アメリカンファミリー・フィールド)●2-3》
ナイターゲーム後のデーゲーム。通常通り両軍ともに打撃練習は行わず、グラウンドに出て練習する選手もまばらだったが、午前10時半に大谷はグラウンドに現れキャッチボールを行った。
それだけではない。


