テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「オオタニがこの球場初登板だ!」相手広報・選手にも愛される日常…エンゼルス元同僚「やっぱ一流だよ」
posted2025/07/06 17:00

敵地のロイヤルズ戦では初登板となった大谷翔平。じつは対戦相手がウキウキだった
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Brandon Sloter/Getty Images
ロイヤルズ広報「この球場でオオタニが初登板だ」
《6月27日 vsロイヤルズ(カウフマン・スタジアム)◯5-4》
空調が完備されたホテルから一歩外に出ると、ロサンゼルスやデンバーでは感じなかった蒸し暑さが全身を覆った。気温は30度だが体感はそれ以上。これは暑い。日本の酷暑ほどではないだろうが、翌日の大谷の登板が少し心配になるほどだった。
市内に200カ所以上の噴水があり「噴水の街」と呼ばれる米国中西部に位置するカンザスシティー。ロイヤルズの本拠地カウフマン・スタジアムも外野席一帯98メートルの長さを誇る巨大噴水が名物で、現本拠地30球場中、26球場を取材してきた中で最も雰囲気が好きな球場である。
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すぐ真横には2月のスーパーボウルに出場したNFLのカンザスシティー・チーフスの本拠地アローヘッド・スタジアムもあり、こちらももちろん雰囲気は抜群だ。
球場に到着し、まずロイヤルズのクラブハウスに向かうと、ロイヤルズの球団広報がこう声をかけてくれた。
「誰か取材したい特定の選手がいる? 何か手伝えることがあったら言って」
初めてカウフマン・スタジアムを訪れたのは2018年4月。噴水エリアに“つらら”が発生するほどの寒さでエンゼルスとの試合が中止になったことを覚えているという話をすると、笑みを浮かべてこう話していた。
「覚えているよ。翔平が登板予定だった試合だよね。さっき球団スタッフの間でもその話になった。この球場でやっと大谷が初めて登板するね」
さすが球団広報。そんなことまで覚えているのか。大谷が相手球団内でそんな話題になるほど大きな存在であることにも改めて驚いた。
元エ軍同僚エステベスは相変わらずのアニメ好き
そんな中、日本の報道陣を見つけ「みんな元気? 今なら話せるよ。カモン」と声を掛けてきたのはエンゼルス時代に大谷と同僚だった右腕カルロス・エステベスだ。隣にいたスター捕手サルバドール・ペレスも興味津々に目じりを下げつつ、明るい声を出した。