テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER

“テレビに映らない”大谷翔平…衝撃は怪物相手の本塁打だけでない「ナイター翌朝10時半、大谷もカーショーも山本由伸もベッツも」練習の虫だった

posted2025/07/17 11:01

 
“テレビに映らない”大谷翔平…衝撃は怪物相手の本塁打だけでない「ナイター翌朝10時半、大谷もカーショーも山本由伸もベッツも」練習の虫だった<Number Web> photograph by Icon Sportswire/Getty Images

ブルワーズ戦での大谷翔平。全米注目の剛腕ミジオロウスキー相手にホームランを叩き込んだ

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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オールスターでの躍動、真美子夫人との“レッドカーペット競演”が話題になったドジャースの大谷翔平。彼を長年追う番記者が、報復死球禍などありながらも二刀流復活への道を歩む“テレビに映らない舞台裏”を記す。〈NumberWebレポート:随時配信〉

“ドラ1指名直前”コーチの息子に聞いた話

《7月8日 vsブルワーズ(アメリカンファミリー・フィールド)●1-3》

 午後2時頃に球場に到着すると、ドジャースのディノ・エベル三塁コーチが打撃投手を務め、長男のブレイディがフリー打撃を行っていた。1メートル90、88キロで左打ちのブレイディはカリフォルニア州のコロナ高で遊撃手として高く評価され、13、14日(日本時間14、15日)に行われるメジャーリーグのドラフト会議の1巡目指名候補。その触れ込み通り、柵越えを連発する打撃練習は圧巻だった。

 練習後、ベンチに座っていたブレイディに話を聞きたいと歩み寄ると「僕は(メジャーリーグの)選手ではないけど」と苦笑いしていた。ドラフト前の心境について聞くと「すごくワクワクしている。父は(遠征先のサンフランシスコにいるため)来られないけど自宅で家族や友達と一緒に中継を見るよ」とうれしそうに語る姿が印象的だった。

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 試合前にどうしても確認したかったのが、大谷が前半戦に登板するかどうか。試合前のデーブ・ロバーツ監督の囲み取材の最後に「もう大谷の次回登板日は決めましたか?」と聞くと、少し間を空けて笑い「まだだよ。でもオールスター戦の前には投げるよ」という返事が返ってきた。大谷が前半戦のうちにもう一度投げると分かったことへの安堵感とともに、戦略上なのか大谷の登板日の情報だけは“この日”までは漏らさないという固い決意も垣間見えた。

怪物相手にいきなり本塁打…大谷が語った印象

 そして、始まった大谷とジェイコブ・ミジオロウスキーの初対決――静寂は一気に大歓声に変わった。2メートル1、89キロの細身の長身右腕が投じた初球は、見逃しストライク。いきなり100.3マイル(約161.4キロ)を計測した。

 2球目は低めのボールゾーンのカーブを空振り。2球で追い込まれたが、3球目のカーブを強振し、バックスクリーンにぶち当てた。431フィート(約131.3メートル)の特大弾だった。

 今季9本目、通算21本目の先頭弾。5日に31歳になってから初の一発は、前半戦の31本目となり、19年のコディ・ベリンジャー(現ヤンキース)の30本を超え球団史上最多となった。

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