テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平からのハグ…剛腕新人ニッコリ「よし、ショウヘイのカバーに」「またサインほしいけど」ライバルが憧れる日常
posted2025/08/11 11:00
ブルワーズ戦前、練習での大谷翔平。視線の先には怪物ルーキーが……
text by

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph by
Nanae Suzuki
大谷とハグの剛腕新人「よし、カバーに行こう」
《7月18日 vsブルワーズ(ドジャースタジアム)●0-2》
東海岸のアトランタから西海岸のロサンゼルスへ戻り、2日間のオフを経て“日常”が戻ってきた。午後2時過ぎにはいつものように佐々木朗希がグラウンドに一番乗りし、キャッチボールを行い、ダッシュを繰り返していた。デーブ・ロバーツ監督は、試合前の囲み取材で大谷翔平が21日のツインズ戦で後半戦初登板すると明言。12日の前回登板から中8日と十分に間隔を空け、同じく3回を投げる予定だという。
ドジャースの打撃練習が終わり、ブルワーズの打撃練習が始まった午後5時前には大谷がグラウンドに登場。大谷が左翼付近でキャッチボールを始めると、ブルワーズのTシャツ姿の長身選手が大谷の前に出て打球が当たらないよう“ガードマン”になり切っているようだった。その後は大谷とハグをしてあいさつを交わし、笑みを浮かべていた。
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間違いない。ブルワーズの剛腕新人ジェイコブ・ミジオロウスキーだった。
我々日本メディアはミジオロウスキーを待った。フリー打撃が終わり一塁ベンチ前で取材に応じてくれたミジオロウスキーは日本メディアに囲まれ驚いたような表情を浮かべたが、すぐに状況を理解したようだった。
「ショウヘイに守備のサポートが必要そうだと見えたから、“よし、じゃあショウヘイのカバーに行こう”と思って動いたんだ」
少年のように笑っていた。“なんていい奴なんだろう”というひと言に尽きる。何かを狙ったわけでもなく、心からそう思っての行動に見えた。
対戦したそうだけど「できれば対戦したくない」
大谷とは15日のオールスターゲームでナ・リーグのチームメートとなり、交流を深めたという。
「とても楽しかった。(球宴で)彼が教えてくれたことは、すごく有益な情報だったし、彼は本当に素晴らしい人物。だから、とても楽しい時間だった」
囲み取材中盤で私が「この3連戦で先発しないことが決まってがっかりしていませんか?」と尋ねると、「特にがっかりはしていないけど、おそらく(次のカードの)シアトルで投げるよ」と笑って教えてくれた。

