テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平「本人が一番苦しかったと」村上宗隆サヨナラ打を初球ファウルで予感したワケ…試合後は「エンゼルス同僚にピース」〈WBC優勝舞台ウラ〉
posted2026/03/14 11:03
2023年WBCメキシコ戦9回の大谷翔平。二塁打でチームを鼓舞する
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Daniel Shirey/Getty Images
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大勢に暴投を当てられそうになり…
3月18日。マイアミはうだるような暑さだった。同市内のフロリダ国際大の野球場で行った米本土上陸後初の全体練習。青空の下、大谷は、山本由伸と佐々木朗希が投げるブルペンを見守り「ナイスボール!」と絶叫。栗山監督との会談中には大勢に暴投を当てられそうになり、「勉強になります!」とおどけてみせた。
メキシコとの決戦2日前。ティー打撃の前後に栗山監督と2度にわたって、計10分間の話し合いの場を持った。相手先発はエンゼルスの同僚(当時)で仲が良い26歳左腕サンドバル。指揮官は「まあまあ、そのうちゆっくりと」と話の中身は伏せたが、近藤健介は「翔平にちょっと聞きました。スライダーと少しチェンジアップというところ」とサンドバル対策を授かったことを明かした。
サンドバルは2022年に自己最多の6勝、防御率2.91をマーク。150キロ台前半の直球とスライダー、チェンジアップが武器で、2022年は左打者に被本塁打ゼロ、被打率.151という左殺しだ。大谷、近藤、村上ら左打者6人が並ぶ侍ジャパン打線にとって脅威となる。
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ただ、大谷とサンドバルはキャンプ地で自主トレからともに行い、毎日のキャッチボール相手だった。直球、変化球ともに特徴的な球筋は頭に入っており、具体的な助言は大きな助けとなる。
マイアミは完全アウェー必至だった
その後、取材陣は二手に分かれ、私は先輩キャップととともに、決戦の舞台ローンデポ・パークに移動。米国とベネズエラとの準々決勝を取材した。驚いたのはその熱気だ。試合中、客席にいると隣の人に話しかけられても全く聞こえなかった。特にベネズエラの攻撃中は、応援団が金属製のマラカス、ベルを大音量で鳴らして大騒ぎ。終盤は「ベネズエラ」と「USA」のコール合戦となり、スタンドは異様な熱気に包まれた。

