テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
“テレビに映らない”大谷翔平「薄くなった“報復死球”の青アザ」徹底した食事管理だが珍しく…「俺に恨みあんの?」163.6キロ体感の打者はニコリ
posted2025/07/06 17:01

ロイヤルズ戦の登板後、囲み取材に応じる大谷翔平
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
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Naoyuki Yanagihara
衝撃の“自己最速163.6キロ”
《6月28日 vsロイヤルズ(カウフマン・スタジアム)●5-9》
試合前から大谷の投球練習を見に行くと決めていた。
カウフマン・スタジアムの左翼側ブルペンはコンコースから至近距離で投球練習を見ることができる。敵地にも関わらず、ドジャースタジアムと同様ファンがごった返していたが、運良く最前列のポジションを確保できた。インターバルを挟んで23球。やはり、大谷はノーワインドアップ時に投手板の真ん中に右足を置き、セットポジション時には一塁側に置いていた。これがコナー・マクギネス投手コーチ補佐が教えてくれた大谷の「投げ心地」なのだろう。試合後にタイミングが合えば大谷本人にも質問をぶつけてみようと決めた。
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初回1死から2番ウィットに左前に運ばれ、続くガルシアには四球。ここから見るからにギアが上がった。4番ビニー・パスクアンティノは100マイル前後の直球2球で追い込むと、3球目に101.7マイル(約163.6キロ)直球で打ち取った。この1球は22年9月10日のアストロズ戦でマークした101.4マイル(約163.2キロ)を上回るメジャー公式戦自己最速だった。
2イニング目は三者凡退に封じ、2回1安打無失点。打者では3三振など4打数無安打で連続試合安打が5、チームの連勝も5で止まったが、投手としてすさまじいインパクトを残した。明日の新聞の1面は間違いなく、もしかしたら複数面で大展開するかもしれない。私は“ベストポジション”を確保するために試合終了を待たずに球場下の取材エリアへ直行し、大谷を待った。
「まだまだ改善の余地はあって」
スポンサーのバナー広告の前に現れた大谷は想像より冷静だった。チームが敗れたため、大谷の言葉が少ないことも予想されたが、投手としての手応えがあったからか、よどみなく言葉をつむぐ姿が印象的だった。