「涙が出ました」大規模水害で一軒家は解体…被災した“あのアイドルレスラーの今”　引退後の福岡晶（54歳）を救った“先輩・井上貴子の気遣い” 

福岡　そう、ドンピシャで。親せきが大家さんで、平屋の一軒家があってね。そこは家族で過ごしてたというよりは、写真などの作業をしたりする事務所的な形で、住むこともできるように自分たちでリノベーションしてたんですね。で、息子も離れたことだし、主人と愛犬たちとで暮らせる別宅でも借りようかっていうことで、店の近所の市内にもマンションを借りたんですよ。二拠点生活じゃないけど、平日はだいたいマンションのほうにいて、車もこっちに置いてて。

　土曜日に水害が起こって、一軒家の向かいに住んでいた司法書士さんから主人にLINEが入ったんです。「いまこういう状態になってます」というメッセージと、汚水に浸かっている一軒家の写真が……。1メートル20センチぐらい、私のバストあたりまでの水位になってた。

インタビューに答える現在の福岡晶さん

――驚いたでしょう。

ADVERTISEMENT

福岡　びっくりした！ ただ、そこに帰るには地下道を通らないといけないんですけど、そこが洪水の海になってた。戻る手段がないから、ひとまず水が引くのを待って、ようやく帰れたのは3日後。

「具合が悪くなるレベル」の異臭で…

――3日後からようやく、整理にありつけたわけですね。

福岡　もうすべてビッチョビチョで。主人と2人だけで行って、そこから38日間。初日はお昼の1時過ぎぐらいに着いて、なにが一番びっくりしたかって臭いですよ。町中一帯が、どこを歩いてもその臭いに包まれていて、主人は夕方から仕事だから「無理！」って。私はそういうのも黙々とできちゃうタイプだけど、具合が悪くなるレベルだった。もうアキラちゃん（過去に写真集で共演した大蛇）のウンチのほうがマシだと思えてしまうくらいだけど（笑）、2人しかいないから、やるしかない。

経営する焼肉店「留り木」にて、ご主人と撮影

――夏だから、臭いと暑さで大変だったでしょう。

福岡　片づけ終わった38日後はもう、8月もお盆を過ぎたあたりになってたかな。主人と「よくがんばったから、どこかでゆっくりしよっか」って、河口湖のほうに愛犬とゆっくり泊まりに行きました。帰りは東京の息子のところに寄ってね。

――現在、その一軒家は？

福岡　突然の災害だったので解体業者も追いつかなかったんですけど、知り合いがいたのでやってもらって、8月下旬には解体してもらって、更地になった。でも、新しいポストを買ってそこにドンッと置いて、別にいなくなるわけでも、ここの住所がなくなるわけでもないから、また帰ってくるからっていう（意味を込めて）。ゆっくりだけれども、かならず再建するって動いてたんで、この春にはそっちに帰ります。

――えっ、それはすごい!! お店は大丈夫だったんですか。

【次ページ】　「涙が出ました」福岡晶を救った“井上貴子の気遣い”