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「めちゃくちゃ大変ですよ」石川祐希が語った10季目のイタリア“最高峰クラブでの日々”「勝って当たり前…多少のストレスはありますね」 

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田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byTakahisa Hirano

posted2025/04/03 17:00

「めちゃくちゃ大変ですよ」石川祐希が語った10季目のイタリア“最高峰クラブでの日々”「勝って当たり前…多少のストレスはありますね」<Number Web> photograph by Takahisa Hirano

イタリアで独占インタビューに応じた石川祐希

 2時間半程度の練習時、石川がまず確認していたのはサーブレシーブを返球する際の高さ。ペルージャでは、昨夏のパリ五輪準々決勝で日本の前に立ちはだかったイタリア代表の主将、シモーネ・ジャネッリが正セッターを務める。2mの高さを活かす返球が求められるのだが、それも石川には初めての経験だった。

「日本にはそこまで背の高いセッターはいないので、返球を高くすればネットを越えてしまうかもしれない、という恐れのほうが強いんです。僕はまだその感覚に慣れていないので手こずるし、難しいですね」

 その後の練習も石川が「質が違う」と言うように、個々人のスキルの高さもさることながら、プレーの一つ一つに対してもすべて細かく得点がつけられていることに驚かされた。サーブやサーブレシーブ、スパイクといった個別技術から、試合を想定した総合練習時のサイドアウト、ブレイクの取り方に至るまで、すべての基準を得点で表す。たとえば5人がサーブを打って5本連続で入れば5点、ネットにかければマイナス1点。スパイク時もコーナーギリギリのコースに打てれば3点となる。

完璧主義者の指揮官の要求

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 それは、石川が初めてイタリアへ渡った際に所属したチーム・モデナで監督を務め、20年以上にわたりトップクラブを率いてきた完璧主義者であるアンジェロ・ロレンツェッティ監督の求める基準を表す指針だ。スパイクをブロックされたり、サーブレシーブが相手コートへダイレクトに返るのを嫌がったりする一方、サーブレシーブの返球は高く上げろ、スパイク時は軟打やリバウンドを多用せずとにかく強く打て、と求められる。

 要求に応え続けるのは相当難しいのではないかとたずねると、「めちゃくちゃ大変ですよ」と石川が笑う。

「ミラノにいた頃は、状況によってリバウンドやプッシュを選択して、たとえそれが得点につながらなくてもオッケーでしたけど、今は(リバウンドを)取りに行って得点につながらないと『何で強く打たないんだ』と怒られる。ジャネッリとか(40歳のベテランリベロのマッシモ・)コラッチのように、ペルージャで長くプレーする選手はほとんど何も言われないですけど、新しく入ってきた僕やアグスティン(・ロセル)、(ワシム・)ベンタラは確認も含めて結構言われる。理解度や慣れという面ではまだまだ足りないので仕方ないですけど、多少のストレスはありますね」

 2月23日に行われたホームでのモンツァ戦。溜まった鬱憤を晴らす、と言わんばかりに石川らしさが爆発した。

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の《独占インタビュー》「下の子たちに差が縮まったと思われたくない」石川祐希が語ったトップ選手のプライドと「質が違う」最高峰の練習【日本代表への強い思いも】で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

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