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「オオタニと差が開いてしまった…」「まさか落球」ヤンキースの英雄から“戦犯”に「死ぬまで忘れない」アーロン・ジャッジが負った深すぎる傷―2024下半期読まれた記事
posted2024/12/20 06:26
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
2024年の期間内(対象:2024年9月~2024年12月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。MLB部門の第4位は、こちら!(初公開日 2024年11月6日/肩書などはすべて当時)。
「ワールドシリーズで及ばなかったことは死ぬまで忘れない」
ヤンキースがワールドシリーズでドジャースに惨敗し、チームの象徴でもあったアーロン・ジャッジがそんな悲痛な言葉を残してからもう1週間近くが経過した。
それでもニューヨークの街には依然として沈滞ムードが漂っているようにも感じられる。メディア、関係者の間ではいまだに今シリーズでのヤンキースの不甲斐なさが槍玉に挙げられており、そんな風景は注目度の高いステージで戦うことの意味を改めて物語っているのだろう。
“戦犯”と目されるスーパースター
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ジャッジにとっても初のワールドシリーズ。敗戦後、その戦いを振り返ってほしいと求められた32歳の主砲は約15秒間、沈黙したまま言葉を探し、静かに語り始めた。
「様々なことがあった。ここ数日、ヤンキースタジアムが揺れ動くのを見られたのは特別なことだった。 街が活気づくのを見ることができた。 シーズンを通して、アップ&ダウン、連敗、連勝、思い通りにならない厳しい判定など、いろいろなことがあってこの最後の試合にたどり着いた。ここにいるのは特別なグループだ」
そのように舞台が大きく、期待が膨らむほど、成功できなかったときの落胆も大きくなる。ニューヨークのような街でのプレーに付随する反動だが、今回はその矛先は他ならぬジャッジに向いている感がある。
2年前にはア・リーグ記録の62本塁打を放ち、今季も打率.322、58本塁打、144打点、OPS1.159という大活躍。大谷翔平と並び称される球界のスーパースターであり、ニューヨークでもこれまではほとんど聖域にいるような評価と称賛を勝ち得てきた。少々信じがたいことに、そんなジャッジが今秋は“戦犯”と目されている。