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小泉進次郎の“野球たとえ発言”に違和感…本当に意味は適切か? 大谷翔平と総裁選「勝敗の行方は“50-50”」「一本足打法から二刀流へ」検証結果が出た…
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph byJIJI PRESS
posted2024/11/05 06:00
使われ方は適切か? 小泉進次郎が発言してきた“野球たとえ”を検証した
小川アナの訝しげな顔を見て困った末に、「野球たとえ」ならぬ「五輪たとえ」で自らの主張を補強した。意気込み自体は素晴らしい。問題は「そのための具体案」である。進次郎氏は太陽光発電の活用で乗り切る意向を示したが、VTRで電源構成のグラフを示されて〈46%(削減)を目指すにはかなりの増設と費用負担が求められます〉とナレーションで突っ込まれていた。
〈おぼろげながら~〉について、放送から4日後の会見で進次郎氏は〈(発言が)切り取られている部分も相当ある〉(2021年4月28日配信/朝日新聞デジタル/以下同)と話し、同時に〈しっかり説明していきたい〉とも発言した。ならば、その場で“46%”の根拠を明示すれば良かったのではないか。“切り取り”をやたらと強調する政治家には、逆に怪しさを感じてしまう。
街頭演説で目撃…なぜ演説がうまいのか?
今回の衆院選で、私は進次郎氏の街頭演説を6回聴きに行った。他の演説者の話は焦点が定まらず、喋り方も平坦なため、頭に残りづらい。しかし、彼は言葉に抑揚をつけながら、自民党の良さをアピールするだけでなく、裏金問題にも触れて反省を口にする。そして、「だけど」「でも」などの接続詞で聞き所を提示するため、話がスッと入ってくる。
赤ちゃんを抱いている人や女子高生に話しかけて親近感を抱かせる点も含め、聴衆を惹きつける技術は天下一品だった。
進次郎氏はSNSでの拡散を頭に入れているためか、スマホを向ける人たちに対し、右手と左手を交互に使いながら手を振っていた。全ての人が綺麗に写真を撮れるように、手と顔が被らないようにしているのだろう。また、ピースサイン、OKマークなど複数のポーズを取っていた。拡散写真が見飽きられないように工夫していると感じた。
賛否はあれど、彼の言動は政治に興味を抱かせる1つの要因にもなっている。街頭演説を見ても、人を惹きつける能力は間違いなくある。ただ、それだけでは単なる客寄せパンダで終わってしまう。試行錯誤の末に生まれたはずの演説技術のように、勉強を重ねて政策通と呼ばれる実力派になれば、鬼に金棒になるだろう。