酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「名球会候補」ハイペース急浮上は田中将大200勝でも丸佳浩と浅村栄斗2000安打でもなく…「27歳で154セーブ」“あの外国人ピッチャー”
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS/Kiichi Matsumoto
posted2024/08/15 17:00
田中将大や丸佳浩の「名球会」資格達成に期待がかかる中で、候補として急浮上中の外国人クローザーとは?
浅村は今季、二塁から三塁にコンバートされた、開幕から不振が続いていたものの、7月は.343と打棒が復活している。
中島宏之は今季、巨人から中日に移籍した。しかし今季はまだ安打なし。このところファームでも振り遅れのファウルをよく見る。中島は2012年、30歳でMLBアスレチックスに移籍し、この時点では通算1380安打、打率.302。まさに脂の乗り切った盛りで移籍したものの、MLBでプレーすることなく2年間を過ごし、33歳でNPBに復帰した。しかし以後、10年間で548安打。今年42歳と、大台突破は厳しい状態だ。
中村剛也は本塁打王6回、打点王4回。2000安打未達でも田淵幸一のように殿堂入りする可能性が高いと思われる。ただ同期の僚友・栗山巧に続いて、2000安打をクリアしたいところだ。
丸に秋山…守備の人・菊池も大台が迫っている
今季、35歳ながらリードオフマンとしてしぶとい打撃を続けているのが、丸佳浩だ。丸は昨年、2度目のFA年限を迎えたものの、不振だったこともあり権利を行使しなかった。巨人とは来季までの2年契約を結んでおり、再来年あたりに大台に到達する可能性はあるだろう。
MLBでは活躍できなかった秋山は広島に復帰後、主としてリードオフマンを務めている。安打を打つうえでは有利な打順ではあろう。
この顔ぶれでは大学卒は大島と秋山だけ。2000安打を打つ上では、大卒はデビューが4年遅くなるので不利だが、ここからどこまで迫るだろうか。
秋山と同じく広島の菊池は、若い頃は「守備の人」という印象が強かった。また3連覇の時代は「タナキクマル」の2番として多くの犠打を記録していたが、昨今は6、7番でしぶとい殊勲打を放つようになり、14日のDeNA戦でも逆転サヨナラ3ラン本塁打を放った。まだ34歳であり、彼にも可能性があるだろう。
あらためて愕然とするのは――10傑のうち、栗山、浅村、中島、中村、秋山の5人が「西武もしくは元西武」の選手であること。今年の西武は、史上2球団目の「年間100敗」のおそれが出てきたが「去る者は追わず」の方針の球団の中で「育成力」が衰えれば、どうなるかを如実に表している。
NPB200勝は08年の山本昌以来出ていない
NPBのみでの200勝投手は、2008年8月4日に中日の山本昌が達成して以来途絶えている。