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藤井聡太14~20歳の将棋を“歴代名人”はどう絶賛したか「藤井さんは特別な才能を」「羽生さんも藤井さんも18歳ですでに…」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/01/22 17:00
藤井聡太五冠は順位戦A級を戦うとともに、羽生善治九段との王将戦に臨んでいる
羽生さんも藤井さんも18歳の時点ですでに整っています
<名言4>
羽生さんも藤井さんも、18歳の時点ですでに整っていますよね。
(中原誠/Number1010号 2020年9月3日発売)
◇解説◇
昭和の大棋士・中原誠十六世名人。「棋界の太陽」とも呼ばれた中原は24歳にして大山康晴十五世名人から名人位を奪取するとそこから9連覇を果たす。羽生、大山に次ぐタイトル合計64期の実績、米長邦雄永世棋聖や加藤一二三九段らとのつばぜり合いを経て、若き日の谷川浩司十七世名人や羽生世代との対決にも挑んでいった。
そんな中原が将棋界における“年齢差”について、興味深いことを語っていたことがある。
「5歳違いまでは同世代。6歳から15歳差までを先輩、後輩。それ以上違ったら大先輩、大後輩。大後輩という言い方はないかもしれないけど、将棋界ではその考え方がピタッとはまる気がしています」
大山は25歳、米長は4歳年上。谷川は15歳、羽生は23歳年下ということを踏まえると……中原が世代間の戦いを数多く経験してきたことが分かる。将棋を通して自らを顧み、そして対局相手の若き日を回想するとやはり、2人には異彩を感じているようだ。
そして2023年初頭、32歳差である藤井と羽生が王将戦で戦っている。王将戦第1局の前日会見で羽生は年齢について問われると、このように語っていた。
「将棋の世界は比較的、年齢差があっても対戦するのは、“ままあること”だとは思います。そうはいってもタイトル戦の舞台で実現することは難しいと思っていました。そういったものを越えて実現できたことは嬉しく思っています。ただ“対戦があった”というだけでは大きな意味を持たないと思うので、それに伴った内容・中身を見せていくことが大切かなと思っています」
掛川で開催された王将戦第1局は藤井が先勝した。しかし迎えた第2局では1日目に先手の羽生が積極的な攻めを繰り出すなど、今後の対局からも目が離せない。
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