酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆と山本由伸は当然、絶対的キーマンだが… 昨年に続く激闘必至の「日本シリーズ男」候補は誰だ!〈成績で展望〉
posted2022/10/22 11:03
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama/JIJI PRESS
10月22日から始まる73回目の日本シリーズは、昨年と同じ東京ヤクルトスワローズとオリックス・バファローズの顔合わせとなった。両軍ともに昨年と同じ要素もあるが、今年明らかに変わった部分もある。
チームの「時価」の評価をするために、ポストシーズンとペナントレースを合わせて、直近10試合のデータを集計した。この比較を試みる。
<チームの勝敗>
ヤクルト 7勝2敗1分 42得点23失点
(ペナントレース4勝2敗1分、CSファイナル3勝)
オリックス 7勝3敗 42得点36失点
(ペナントレース4勝2敗、CSファイナル3勝1敗)
優勝チームだから当然のことながら、チーム成績は良い。オリックスは9月22日のロッテ戦で13失点したのが響いて失点が多いが、それを除けばほぼ互角の数字だ。
ヤクルトはレギュラーシーズン9月25日から10月3日までの9日間で7試合、中9日開いてCSファイナルで3試合したが、オリックスは同じく9月20日から10月2日までの13日間で6試合。連戦は1度もなく中8日開いてCSファイナルで4試合を戦った。
ペナントレースの最終盤は、ゆったりとしたスケジュールだった。この間に故障した選手、不振だった選手の調整が、ほぼ完全にできたことが大きい。
注目したい「山本由伸以外の先発」と中嶋采配
<先発投手陣 ※は左腕>
・ヤクルト
小川泰弘 3試1勝0敗15.2回 率1.72
サイスニード 2試1勝0敗12.2回 率1.42
山下輝 1試1勝0敗7.2回 率0.00※
高橋奎二 1試0勝0敗5回 率5.40※
高梨裕稔 1試0勝1敗5回 率7.20
市川悠太 1試0勝0敗5回 率1.80
石川雅規 1試0勝0敗4回 率9.00※
原樹理 1試1勝0敗3回 率0.00
昨年、後半から先発の柱だった奥川恭伸がいない。しかし小川は昨年よりも安定感がある。小川とサイスニードはほぼ確定。高津臣吾監督は最終盤になって若手の山下輝、市川に先発させたが、やはり昨年の日本シリーズでも先発で活躍した高橋、ベテランの石川、さらには最終盤で戦列に復帰した原樹理でローテを組むのではないか。
・オリックス
山本由伸 3試2勝0敗22回 率0.82
宮城大弥 2試1勝1敗7.2回 率7.04※
田嶋大樹 2試0勝1敗9.1回 率2.89※
山岡泰輔 2試0勝1敗7.2回 率7.04
山崎福也 1試0勝0敗6回 率1.50※
ローテーションはほぼ確立されている。
CSファイナルではオリックスはアドバンテージの1勝に加え「由伸の1勝」がオンされていると言われたが、日本シリーズでも同様だ。しかし、以後の先発陣は万全とまでは言えず、ヤクルトと互角か。中嶋監督は山本以外の先発は失点すれば、惜しげもなく早い回でも交代させるのではないか。