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4カ国5名が“犠牲”に…高梨沙羅が泣き崩れた超異例“スーツ規定違反”乱発の「なぜ」と再考されるべき手順《ドイツ監督も激怒》
posted2022/02/08 11:03
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Naoya Sanuki/JMPA
これ以上のない苦さと切なさと、培ってきた精神力と――。
2月7日、ノルディックスキー・ジャンプ混合団体は、そんなさまざまな感情や思いがないまぜになって、引くことのない試合となった。
オリンピックでは初めての開催となる男女各2名、計4名によるチーム戦。日本は男子がノーマルヒル金メダルの小林陵侑と佐藤幸椰、女子はノーマルヒル4位の高梨沙羅と伊藤有希。とりわけノーマルヒルでの結果に涙を見せつつ、それでも団体戦へと気持ちを切り替えた高梨に注目が集まっていた。
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それに応えるように、高梨は1回目、103.0m、124.5点の大ジャンプを見せ、2位につけた――だがその直後、その数字は取り消された。スーツの規定違反により失格となったためだ。
ショックの大きさは、支えられるように引き上げた姿からもうかがえた。それでも日本は8位までが進める2回目に進出。最終的に4位まで巻き返したが、なおさら、失格となった事実が重みを増すことになった。
珍しくない規定違反、ぎりぎりのサイズがトレンドに
高梨が違反となったのは、スーツの太ももまわりが「規定より2cm大きかったためです」(鷲澤徹コーチ)。
ジャンプは着用する服装について、下着も含めて細かく定められている。とりわけスーツについては、ルールが更新され続けてきた。各国で浮力を得るための試みがスーツにおいてなされ、それによって公平性を欠いたり、飛びすぎる危険性が増すことを防ぐ目的からである。
以前は、だぼだぼのスタイルのスーツがあり、「むささび」とも形容されていたが、それが禁止されたのも先に記した理由からであった。逆に体とのゆとりを「0cm」とした時期もあったが、落下速度が増してより危険であることから緩和。男子は1~3cm、女子は2~4cmとなっている。