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《巨人の引退と戦力外通告》亀井善行、中井大介、村田修一の“感謝”とは「ジャイアンツをクビになった1年前を思えば…」
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posted2021/10/21 17:01
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村田修一、亀井善行、中井大介。実績は三者三様だが、それぞれ巨人ファンから愛された選手なのは確かだ
中井はプロ5年目の2012年、二軍で最多安打と打点王のタイトルを獲得するなど、近未来の主力としての期待を受け続けた。実際、2013年には48試合に出場。打率.324、4本塁打、17打点と覚醒の気配を漂わせていた。2015年には「巨人の4番打者」を任されたほどだ。
高橋由伸監督体制では積極的に起用される期間があったものの、一軍では10年間で161安打に留まった。プレッシャーの中で潜在能力を発揮しきれなかった中井に巨人が“戦力外通告”を告げたのは2018年オフのこと。トライアウトを経て、DeNAに“拾ってもらう”形となった。それでも……。
「この11年間が自分にとって財産になったことは間違いない」
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中井はこう、巨人に対しての感謝を語っていたという。DeNA加入後は内・外野で数多くのポジションを守れるユーティリティープレーヤーとしての役割を果たし、特に2019年はサウスポー相手に積極的にスタメン起用されるなど、チームに渋く貢献した。
古巣の目の前での優勝に涙したワケ
そんな2019年終盤戦では、目の前で巨人の胴上げを見つめる立場となり、涙を流したことが話題となった。当時の心境について、中井はこう語っていた。
「もしかしたら意識はしていなくても感情のなかに何かあったのかもしれないけど、僕としてはただ純粋に悔しくて、込み上げてくるものがたくさんあった。勝っていたのに追いつかれて、逆転された。本当に悔しいなって」
ベイスターズの一員として優勝したい。その思いがひときわ強かったからこそだったのだ。
中井はDeNAから来季の契約を結ばないことを告げられ、今季限りでの引退を決断。10月20日には現役最後の打席に立った。対戦相手は巨人。かつてのチームメートである畠世周からライト前ヒットを放つと、両チームのファンから大きな拍手が送られたのだった。