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《巨人の引退と戦力外通告》亀井善行、中井大介、村田修一の“感謝”とは「ジャイアンツをクビになった1年前を思えば…」

posted2021/10/21 17:01

 
《巨人の引退と戦力外通告》亀井善行、中井大介、村田修一の“感謝”とは「ジャイアンツをクビになった1年前を思えば…」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

村田修一、亀井善行、中井大介。実績は三者三様だが、それぞれ巨人ファンから愛された選手なのは確かだ

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NumberWeb編集部

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Hideki Sugiyama

雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は今季限りでの現役引退を発表した亀井善行をはじめ、巨人から印象的な去り方をした3人の選手の言葉です。

<名言1>
このチームで生きていくために、僕は脇役として何でもやらなきゃいけないんだということは理解しているつもりです。
(亀井善行/Number986号 2019年9月12日発売)

◇解説◇
 21世紀のジャイアンツにおいて“最も偉大なバイプレーヤー”を選ぶとするなら。巨人ファンにとどまらず、野球ファンの多くが亀井善行の名前を挙げるだろう。

 2004年のドラフト4巡目で巨人に入団した亀井は、2008年に一軍で結果を残し始めると、持ち前の強肩とユーティリティー性を買われ、原辰徳監督が指揮を取った2009年WBCの日本代表に“サプライズ選出”され、連覇メンバーの一員となった。

 その勢いに乗るかのように同年のレギュラーシーズンでは打率.290、25本塁打71打点12盗塁というキャリアハイの成績を残した。

 ただ亀井がキャリアで規定打席に達したのは、この2009年と18、19年の3回だけだった。度重なるケガとともに、巨人特有の厳しい競争があったからだ。外野手を列記するだけでもラミレス、陽岱鋼、ゲレーロ、丸佳浩と他球団の主力クラスが毎年のように加わってきた。生え抜きにとっては過酷な環境だが、大事な場面では亀井が起用され、結果を残し続けてきた。だからこそ、代打などで登場すると巨人ファンからの声援がひときわ大きくなるのも自然なことだろう。

 2019年、亀井本人は「守備に関しては未だに誰にも負けていない」と語っていた。打力がありながらディフェンスを固めてくれる希少な能力を有しているからこそ、原監督も高橋由伸監督も重宝したのだ。

 2021年もプロ野球史上初となる「開幕戦での代打サヨナラ本塁打」を放つなど、いぶし銀の活躍を見せた。今季限りでの引退を発表し、会見ではファンへの感謝を口にした亀井。10月20日時点でのプロ通算成績は1412試合、1069安打、打率2割5分7厘、101本塁打、462打点。激しい競争を強いられ続けた中で“生え抜き選手”が残したものとして、非常に立派なものだった。

巨人の11年間が自分にとって財産になった

<名言2>
ジャイアンツをクビになった1年前の状況を考えれば、このチームに加入させてもらって本当に良かったなって思っています。
(中井大介/NumberWeb 2019年9月29日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/840909

◇解説◇
 本人もジャイアンツファンも、もどかしい思いを抱え続けていたことだろう。

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