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《巨人の引退と戦力外通告》亀井善行、中井大介、村田修一の“感謝”とは「ジャイアンツをクビになった1年前を思えば…」 

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posted2021/10/21 17:01

《巨人の引退と戦力外通告》亀井善行、中井大介、村田修一の“感謝”とは「ジャイアンツをクビになった1年前を思えば…」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

村田修一、亀井善行、中井大介。実績は三者三様だが、それぞれ巨人ファンから愛された選手なのは確かだ

<名言3>
もし、僕がチームを優勝させられる存在なのであれば、とっくにオファーは来ていたと思います。
(村田修一/NumberWeb 2020年12月12日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/846207

◇解説◇
 巨人軍と言えば、毎シーズンのオフにウィークポイントとされたポジションに、国内FA権を取得した他球団の選手に対して積極的にアプローチし、獲得してきた“履歴”がある。

 村田修一もその1人である。

 ベイスターズ時代には2007、08年の2年連続本塁打王を筆頭に、9シーズン連続2ケタ本塁打をマーク。「松坂世代」の打者において、ナンバーワンの長距離砲へと名を上げていた。その一方で当時低迷が続いていた横浜では上位進出がままならず、“優勝を目指したい”との理由で2011年オフに巨人へのFA移籍を決断した。

 巨人での6年間も2ケタ本塁打記録を伸ばし続け、安定したサード守備でもチームに貢献。2012~14年にはリーグ3連覇を経験し、2012、13年と2016年にはベストナインに輝いている。

 ただし巨人の主軸を張るという期待値、そのコインの裏と表の関係である重圧はあまりに大きく、併殺打の多さなどを一部で叩かれることもあった。

戦力外通告にも「ありがとうございます」

 そんな村田にも世代交代の波が一気にやってくることになった。巨人が11年ぶりのBクラスに沈んだ2017年オフ、球団は若返りを図るため、当時の鹿取義隆GMが刷新の道を選んだ。その1人となったのは村田。「来季の契約を結ばない」との報は、ファン視点から見れば“功労者への非情なリストラ”と憤っても仕方ないものだった。

 ただ、村田は「ハッキリ言ってくださって、ありがとうございます」と感謝の言葉を口にしたという。

 なぜか。それは当時の村田が推定年俸2億2000万円と高額だったという側面がある。この年に村田は2度目のFA権を取得していたものの、その年の12月に37歳となるサードに手を出す球団がどれだけあるか……「せめてもの誠意」(鹿取GM)として、フリーの立場で新天地を探してほしいという“恩情”があった。

 村田には結局NPBからの声はかからず、BCリーグ栃木入団の道を選んだ。1シーズンプレーしたのち、バットを置くことを選んだスラッガーに対して、巨人は2018年9月28日のDeNA戦で功績をたたえるイベントを開催。“別れの花道”を、そして翌年からは指導者のポストを用意。現在は一軍野手総合コーチを務めている。

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