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<51歳に>羽生善治九段から「“あの芸をやっていたね”って」…中村太地七段&佐藤紳哉七段が知る“普段の優しい姿”って?
text by
中村太地Taichi Nakamura
photograph byTadashi Shirasawa
posted2021/09/27 17:03
2018年の朝日杯将棋オープンより。羽生善治九段は様々な人や物事に心を配っているという
中村 そういったところを含めて豊島竜王の強さといいましょうか。ちなみに紳哉先生と言えば豊島竜王に対する"あの発言"でとても有名になられましたけど(笑)。もう9年前の出来事なんですね。
紳哉 そうなんですよ、もうそんなに経つんですね。……あ、またやったほうがいいですか?
中村 私のYouTubeでも披露していただきましたが、もしよろしければ。
紳哉 では……「豊島? 強いよね。序盤・中盤・終盤、隙がないと思うよ」。
豊島竜王は「どこがさらに強くなったのか」
――(笑)。豊島竜王については、今回の対談でぜひお聞きしたいテーマの1つでした。藤井二冠との王位戦が始まるということで、その頃と今を比べて「豊島竜王のどこがさらに強くなったのか」を、おふたりに解き明かしてもらえればと思っています。
中村 まず、紳哉先生が「豊島、強いよね」発言をした時の豊島竜王を思い出すと……。
紳哉 初めてのタイトル挑戦がちょうど震災の年あたり(2010年度の第60期王将戦)。久保(利明)王将に挑戦していました。
中村 当時の豊島竜王を思い出すと、非常に序盤研究が深く、研究にハマれば香車もスパッと切るなど、積極的な展開へと持ち込んでいました。
紳哉 そうですね。「序盤、中盤、終盤、隙がない」、まさにその通りの将棋だったと個人的に思います(笑)。
中村 ただその一方、当時はドロドロした展開と言いましょうか……沼のような戦いに引きずり込まれると、まだ勝てなかったという印象がありますね。そこに誘導した久保先生の巧みさ、とも言えるのでしょうが。
紳哉 僕も「少し線が細いかな」とは、少し感じてはいたんですけどね。
――「線が細い」とは?
紳哉 太地先生が今言ったように、ドロドロとした選択肢の多い展開になると、間違いやすいというか。その展開にも強くなると骨太な棋士という印象を受けます。
中村 ただ、当時と今を比べると、豊島竜王は明らかにパワーアップしたところがありますよね。
<第3回に続く。関連記事からもご覧になれます>
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