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<51歳に>羽生善治九段から「“あの芸をやっていたね”って」…中村太地七段&佐藤紳哉七段が知る“普段の優しい姿”って?
text by
中村太地Taichi Nakamura
photograph byTadashi Shirasawa
posted2021/09/27 17:03
2018年の朝日杯将棋オープンより。羽生善治九段は様々な人や物事に心を配っているという
紳哉 まずはビックリでしたよね(笑)。それと同時にすごく光栄で、身が引きしまるというか。その一方で足を引っ張りすぎてはいけない、というプレッシャーも感じています。
とても楽しそうな羽生さんがファンにとって新鮮?
中村 私もビックリすると同時に嬉しさを感じました。羽生先生と同じチームで頑張りたいな、この機会を公式戦の方にもいい影響が出るようにしたいなという。あとツイッターなどの反響を見ていると、羽生先生がとても楽しそうにしてらっしゃる様子が、ファンの方には新鮮に映っているようです。
紳哉 それは確かに。
中村 羽生先生と言えば対局中の姿が一番印象的でしょうし、様々な分野の方と対談している理知的な姿もしかりです。ただ、普段の様子というのは今まであまり表に出なかった部分なのかも、と気づかされましたね。
将棋界の中ではかなり知られているのですが、羽生先生は仕事などで一緒になると、控え室で楽しげに話をしてくださるんです。それが今回のABEMAトーナメントで表に出たのかなという感じはありますね。それに加えて紳哉先生は羽生先生と長らく「VS」(※1対1形式での研究)をされているなど関係性があるからこそ、より一層和気あいあいとした雰囲気になっているのかなと思います。
タイトル戦前日の懇親会でも話を振ってくれる
紳哉 たしかに羽生九段は、普段から朗らかなんですよ。だからファンの人から「あんなにニコニコしてる羽生さん、見たことない」という評判を聞くと、「あっそう感じるんだ」と逆に意外というか。羽生九段は周りに気を遣っていて。タイトル戦の前日とか、2日制とかだと懇親会があるんですけど、そういう時も結構……。
中村 話を振ってくれますよね。きっと羽生先生ご自身、喋ることが好きなんだと思います。色んなことに興味があるからこそ、様々な人の意見、考え方に触れる好奇心がおありなのかなと。ちなみに私についても、かなり細かいところまで見てくださいますしね。「この前、あの配信で……」など声をかけていただくことも多いですし。