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《セレクトセール》歴代1位は“6億円”だけど…高額馬たちの「意外なその後」今年最高額の更新は?

posted2021/07/12 17:00

 
《セレクトセール》歴代1位は“6億円”だけど…高額馬たちの「意外なその後」今年最高額の更新は?<Number Web> photograph by KYODO

2016年のセレクトセールにて史上最高額の6億円で落札されたディナシー(左)

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 日本最大の競走馬のセリ市「セレクトセール2021」が、7月12日(月)と13日(火)に苫小牧市のノーザンホースパークで行われる。

 コロナ禍にあっても競馬関連の産業はおおむね好調だ。昨年の馬券の売上げは、前年比103.5%の2兆9834億5587万2000円。競馬場やウインズ(場外馬券場)への入場がたびたび制限され、ネットでの発売が中心だったにもかかわらず、9年連続での増加となった。

コロナ禍で落札金額が高騰?

 好調の理由は、競馬がスケジュールどおりに開催されているからにほかならない。開催されている限り世界一高額な賞金はこれまでどおりに払われ、巨額の金は回りつづける。

 セリも軒並み好調で、昨年のセレクトセールは、2日間合計の売却総額が187億6100万円(432頭)となり、過去最高だった一昨年の205億1600万円に次ぐ歴代2位となった。さらに、例年よりひと月遅い8月下旬に新ひだか町の北海道市場で行われたセレクションセールの売却総額は32億6300万円(184頭)、サマーセールは52億170万円(825頭)と、ともに売上げのレコードを達成した。

 コロナ禍で、金持ち(=馬主)が高い買い物をする機会が減ったぶん、馬の購入にあてる額が大きくなったのだろうか。

 ともあれ、今年もセレクトセールでは活発な取り引きが期待できそうだ。

 生産者にとっては、選ばれた馬だけが上場されるセレクトセールに生産馬を送り込むことは誇りになるし、馬主にとっては、1頭の平均価格が約4343万円(昨年)もするセレクトセールで馬を買うことはステイタスになる。数千万円、ときには数億円を出して馬を競り落とした馬主は、「おめでとうございます」と言われ、握手を求められる。ずっとここにいると、会場の外に展示してあるフェラーリが安く見えてくるから恐ろしい。

自身の100倍稼ぐ馬も、評判倒れの馬も

 なぜセレクトセールで馬を買いたがる馬主が多いかというと、ディープインパクト(7000万円)をはじめ、アドマイヤムーン(1600万円)、ジャスタウェイ(1200万円)、デアリングタクト(1200万円)など、このセールで購入された馬から、数多くの名馬が輩出しているからだ(カッコ内は落札価格)。

 今ここには、ディープ以外は、あえて「お買い得」だった馬ばかりを例に挙げた。アドマイヤムーンは国内外で12億円ほど、ジャスタウェイは9億円ほど、デアリングタクトは現時点で5億円以上の賞金を稼いでいる。このように、自身の価格の何十倍、ときには百倍ほど稼ぐ馬もいれば、値段は高くても評判倒れに終わる馬もいる。

 ということで、これまでセレクトセールで落札された高額馬が、その後、どのような結果を出しているかを見ていきたい。

【次ページ】 歴代最高額は“6億円”のディナシー

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