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桑田もダルビッシュも大谷も...今更聞けない「トミー・ジョン手術」の“トミー・ジョン”って、だれ? 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2021/01/26 06:00

桑田もダルビッシュも大谷も...今更聞けない「トミー・ジョン手術」の“トミー・ジョン”って、だれ?<Number Web> photograph by Getty Images

現日本人メジャーリーガーでは、ダルビッシュ有(パドレス)がレンジャーズ時代の15年に受け、昨季は日本人初の最多勝に輝くなど躍進を見せた

 高い才能を持つ大学生がプロ入りを前にメスを入れ、強い靭帯を作り直すという流れは高校生だけにとどまらない。リトルリーグの世界にまで及んでしまっているのが、ちょっと恐ろしい。

 筆者が住むロサンゼルス近郊のリトルリーグやシニアリーグでもトミー・ジョン手術を受けた少年はいる。しかも、中学生までに1度だけでなく2度も受けた選手もいた。

 米国ではリトルリーグでさえも厳格な球数制限がある。それはどのレベルでも同様だ。日本のように子供のころからの投げすぎという問題はない。

 その一方で軟式球の存在はない。6歳児であっても握るのは硬式球。もちろん規格は小さいが、自主性や個人が尊重されるお国柄か、技術指導は緩いというか、ほとんどない。この辺りが怪我に繋がる背景とも考えられるが、肘にメスを入れることへの抵抗が少ないのも事実だ。そして、こんな説もある。

「トミー・ジョン手術を受けることで靭帯が強くなり、球速が上がる」

 事実かどうかの検証は他に譲るとして、意識として、手術へのハードルが日本よりはるかに低いのは確かだ。プロレベルでのトミー・ジョン手術はリハビリ・プログラムも年々進化し信頼は厚いが、低年齢化への流れは個人的には疑問でしかない。

あの日本人選手も手術で“復活”している?

 トミー・ジョン手術からの復活。

 日本では1983年に受け、通算215勝を挙げた村田兆治氏(元ロッテ)や現日本ハム投手コーチの荒木大輔、巨人にコーチ復帰した桑田真澄らの名前がまずは上がる。

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