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スアレス効果でシメオネ戦術が進化! 堅守&闘争心+ポゼッション=アトレティコ好調
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2020/11/28 17:01
バルサをお払い箱になったスアレスを、A・マドリーの“親分”であるシメオネ監督はキッチリと生かしている
自陣ゴール前のブロックから敵陣ゴール前のスアレスへ基点が移ったおかげで、今季はアタッカーの多くが活き活きとしている。
ジョアン・フェリックスはパフォーマンスを安定させて、アンヘル・コレーアは連係の巧さを発揮し始めた。昨季開花したマルコス・ジョレンテは成長を進め、初の代表入りを果たした。
ヤニク・カラスコやビトーロは出場時間が比較的少ないが、ピッチに立つたび高評価を得ている。
また、彼らにボールを送る中盤も冴えており、サイドから中央に戻ったコケはかつてのキレを取り戻して、エクトル・エレーラやサウールと共にパスを繋ぎながら攻めどころを探している。
なんと失点数もさらに減っている!
その一方で、さすがはシメオネ門下、プレースタイルが変わっても守備に対する意識は変わらず、1試合平均失点を0.25に抑えている。この先、失点が増えるかもしれないが、いまのところシメオネ期最少である2015-16シーズンの0.5失点の半分だ。
例年首位を争うR・マドリーとバルサが揃って低迷する現状がもう少し続けば、今季は誰もが天下を狙える戦国時代になる。
アトレティコが現在のままなら、来年5月の戴冠は十分あり得るだろう。