酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
小川泰弘ノーノーは“小さな大記録”。
週刊セパ好成績&珍記録、週間MVP。
posted2020/08/18 08:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
日本のいたるところで最高気温が35度を軽くオーバーしている。17日には浜松市で歴代最高気温の41.1度まで出てしまう次第である。そんな中で、プロ野球も「体力気力勝負」の時期に入った。
【今週の“ぴかイチ選手” ヤクルト:小川泰弘】
8月15日、好調のDeNAを相手にヤクルト小川がノーヒットノーランを成し遂げた。1回から四球を出し2回には失策の走者も出たから、安打が出るのは時間の問題だと思えたが、そこから尻上がりに調子を上げた。球速こそ150km/hに達しなかったが、チェンジアップの制球が抜群だった。
球団歴代、身長を見てみると。
ノーヒットノーランは日本プロ野球史上82人目で93回目、スワローズとしては国鉄時代から数えて8人目、9回目だ。
1951年9月5日
金田正一 (阪神戦)1回目
1956年5月3日
大脇照夫(中日戦)
1956年9月19日
宮地惟友(広島戦)
1957年8月21日
金田正一 (中日戦)2回目
1961年6月20日
森滝義巳(中日戦)
1995年9月9日
テリー・ブロス(巨人戦)
1997年9月2日
石井一久(横浜戦)
2006年5月25日
リック・ガトームソン(楽天戦)
2020年8月15日
小川泰弘(DeNA戦)
1961年までの5例は国鉄、あとはヤクルトだ。
小川は身長171cm、ノーヒットノーランを記録した投手の中でも最小の部類だ。1950年の2リーグ分立後のノーヒットノーラン投手、低身長の選手は以下の通り。
1 藤本英雄170cm(巨人)
1950年6月28日 西日本戦
2 小川泰弘171cm(ヤクルト)
2020年8月15日 DeNA戦
3 八木沢荘六172cm(ロッテ)
1973年10月10日 太平洋戦
4 林義一173cm(大映)
1952年4月27日 阪急戦
4 大津守173cm(西鉄)
1955年6月4日 近鉄戦
4 武智文雄173cm(近鉄)
1955年6月19日 大映戦
4 大脇照夫173cm(国鉄)
1956年5月3日 中日戦
4 戸田善紀173cm(阪急)
1976年5月11日 南海戦
戦前の1リーグ時代には身長167cmの浅野勝三郎、168cmの呉昌征なども記録しているが、1950年以降では小川は2番目の短躯である。しかも小川以外は、1970年代以前の投手だ。