酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
小川泰弘ノーノーは“小さな大記録”。
週刊セパ好成績&珍記録、週間MVP。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2020/08/18 08:00
ノーヒットノーランを達成した小川泰弘。ヤクルトのエースとして夏場の好投に期待がかかる。
巨人・菅野と同じ年のドラ2。
選手の平均身長が181cmという今のNPBにあって、この体でエースを張って、大記録を樹立したのは称賛に値する。
小川は愛知県立成章高校から創価大を経て2012年ドラフト2位でヤクルトへ入団。この年のドラフトの目玉は1年浪人して巨人に入団した菅野智之だった。
菅野は翌2013年に13勝6敗176回、防御率3.12を記録したが、小川はこれを上回る16勝4敗178回、防御率2.93をマーク、新人王を獲得した。足を大きく上げるフォームから「和製ライアン」と及ばれ人気を博した。
それから8シーズン、巨大戦力をバックに日本のエースになった菅野と、2015年に優勝したもののBクラスが続くヤクルトで懸命に投げる小川、2人の通算成績は以下の通りだ。
<菅野智之>
184試合94勝47敗 1279.1回
1137奪三振 防御率2.34
<小川泰弘>
170試合70勝53敗 1061.2回
865奪三振 防御率3.51
菅野には及ばないものの勝ち越しているし、立派な成績を残している。
小川泰弘は金田正一以来、“弱小スワローズ”だったエースの系譜に連なる投手になったといえるだろう。今後も期待したい。
パリーグは打撃戦が多かった。
<8月10日から8月16日までの1週間の成績>
【パ・リーグ】
○チーム成績
1 ソフトバンク6試合5勝1敗0分 率.833
打率.240防率1.83
2 ロッテ6試合4勝2敗0分 率.667
打率.232 防率6.33
3 楽天6試合3勝2敗1分 率.600
打率.294 防率5.77
4 西武6試合2勝3敗1分 率.400
打率.285 防率5.07
5日本ハム6試合2勝4敗0分 率.333
打率.288 防率5.04
6オリックス6試合1勝5敗0分 率.167
打率.231 防率5.33
この週は乱打戦が多かったために、リーグ防御率は4.89となった。ソフトバンクを除くチームの防御率が5点台。打撃は楽天、西武、日本ハムが好調。オリックスは12球団で最速の30敗。首位ソフトバンクと最下位オリックスまでは11.5差に広がった。