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ミケルソンを取り巻く猜疑心と愛情。
国民的スターに何が起きているのか。
text by

舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2020/02/27 08:00

ゴルフ界において長らくアメリカの象徴だったミケルソンが50歳。そのキャリアの晩年に注目が集まっている。
第2の故郷よりサウジアラビア。
そんな中、ミケルソンは大学時代とプロ生活の初期を過ごした「第2の故郷」、アリゾナ州スコッツデールで開催されるウエイスト・マネジメント・フェニックス・オープンを欠場し、欧州ツアーのサウジ・インターナショナルに出場した。
高額なアピアランス・フィーを受け取っていたことは明らかで、これまた「お金のために?」という批判が続出した。
さらには、そのサウジ・インターナショナルのプロアマ戦でミケルソンがともに回ったアマチュア3人の顔ぶれが、またまた物議を醸した。
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今年1月、米ツアーや欧州ツアーに対抗する新ツアー「PGL(プレミア・ゴルフ・リーグ)」構想が浮上し、世界のゴルフ界が揺れ始めているのだが、ミケルソンがプロアマ戦で一緒にプレーした3人は、そのPGL構想の中心人物たちだった。
現地の欧州メディアは、プロアマを終えたミケルソンに詰め寄り、彼らとどんな会話を交わしたのかと尋ねた。
「まだ話を聞いたばかりで僕もみなさんに語れる段階にはない。でも、とても興味深い話だった」
ミケルソンは3月のプレーヤーズ選手権の会場でPGLに関する自身の考えを話すつもりだそうで、彼の動向が他選手たちに何かしらの影響を及ぼすと思えるからこそ、今、これまで以上にミケルソンに視線が向けられている。
誰も彼を責めることはできない。
故郷サンディエゴを離れてフロリダへの引っ越しを決意し、「第2の故郷」アリゾナの大会ではなくサウジアラビアの大会を選んだミケルソンが、50歳になる節目の年に古巣である米ツアーを離れて新ツアーのPGLに出るという選択をしたとしても、彼を責めることは誰にもできない。それは彼の自由だ。
これまで十分に米ツアーに貢献してきたミケルソンなのだから、そろそろ好きな場所で好きなことをして生きていってもいいはずである。