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アーモンドアイかリスグラシューか。
有馬史上初の牝馬ワンツーに期待。
 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2019/12/21 19:00

アーモンドアイかリスグラシューか。有馬史上初の牝馬ワンツーに期待。<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

アーモンドアイとリスグラシューの頂上決戦。すべての競馬ファンが楽しみにしていた対決だ。

リスグラシューの現役ラストラン。

 となると、問題は勝てるかどうかではなく、勝ち方だ――と言いたいところだが、簡単にはそうとは言えないメンバーが揃った。

 相手の筆頭は国内外のGIを3勝し、これがラストランとなるリスグラシュー(牝5歳、父ハーツクライ、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 ジョアン・モレイラが騎乗した昨年のエリザベス女王杯を鮮やかに差し切り、GI初制覇。ダミアン・レーンを鞍上に迎えた今年の宝塚記念では一転して先行、上がり最速の末脚で2着を3馬身突き放した。前の馬も後ろの馬もどうすることもできない「最強の型」を、牡馬の一線級相手に見せつけた。

 そして、前走は、オーストラリアの権威あるGI、コックスプレートを完勝。海外GI初制覇をなし遂げ、引退レースとなるこの有馬記念に駒を進めてきた。

勝ったほうが確実に年度代表馬?

 アーモンドアイとの「最初で最後の女傑対決」として注目されているが、矢作調教師は、「みなさんそう言いますが、強い相手はアーモンドアイだけではありません」と口元を引き締める。先入観にとらわれて、戦略を見誤らないようにしているのだろう。

 この馬も、中山コース、2500mとも未経験だが、昨年の香港ヴァーズで首差の2着になった走りや、今年の宝塚記念の余裕ある勝ち方などから心配なさそうだ。

 リスグラシューが勝てば、ほぼ確実に年度代表馬に選出される。アーモンドアイにも同じことが言える。ということは、ここは年度代表馬の座をかけた女傑対決とも言えるわけだ。

 ほかにも、ジャパンカップを勝って復活したスワーヴリチャード、キセキ、フィエールマン、ワールドプレミアという3世代の菊花賞馬、底を見せていない3歳馬サートゥルナーリアなど、矢作調教師の言うとおり、強い馬がたくさんいる。

【次ページ】 牝馬ワンツーならレース史上初。

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