競馬PRESSBACK NUMBER
アーモンドアイは「ベストな枠順」。
C・ルメールが語る確かな勝算。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2019/12/20 20:00
ルメール騎手は有馬記念では当初フィエールマンに騎乗予定だった。しかし急遽参戦のアーモンドアイを選んだ。
中山の2500m? 全く心配はない。
――2400メートルのジャパンCで2分20秒6という驚異的なレコード勝ち('18年)。あのパフォーマンスを思い起こせば100メートル延長の2500メートルも大丈夫ですよね?
「はい。そこは全く心配する必要はないと思います。ジャパンCは速い流れを先行したのに、最後にまた伸びて後続を突き放しました。あんな競馬を出来る馬はそうそういません。距離に関しては心配していません」
――そもそも中山の2500メートルならむしろ東京の2400メートルの方がスタミナは必要ではないですか?
「その通りです。中山はコーナーが沢山あるので息が入ります。そういう意味でコーナーが少なくて直線の長い東京コースの方がタフです。距離的には100メートル延長されるけど、ハードさでは東京の2400メートルの方がキツい。だから今回は大丈夫だと思います」
――逆に言うと中山はコーナーが多い分、紛れが生じやすいという不安はありませんか?
「そうですね。そこは少し気をつけなければいけません。うまく立ち回らないと、最終コーナーでまだ後方にいてはいくらアーモンドアイでも前の馬に残られてしまう可能性があります。ディープインパクトでも負けてしまったコースですから('05年有馬記念)」
――でもその時、勝ったのはルメール騎手が乗るハーツクライでした(笑)。
「はい、そうです(笑)。あの時はうまくいきました。ディープインパクトはとても強い馬で、しかもユタカさん(武豊騎手)が乗っていました。それでも負ける事があるのが競馬です。アーモンドアイは強いけど、有馬記念では沢山のGIホースが出て来るので油断は禁物です」
GIホースで気になる存在は……。
――沢山のGIホースの中で、気になる存在はいますか?
「リスグラシューは宝塚記念の後、オーストラリアでコックスプレートを勝っています。スワーヴリチャードのジャパンCも強かったです。サートゥルナーリアも才能のある馬だし、レイデオロはフジサワ先生(藤沢和雄調教師)のダービー馬。僕自身も乗って強さを良く分かっています。
そして僕自身が乗ったといえばフィエールマンですね。フランスは馬場が重くて駄目でしたけど、あの馬も状態が良ければ相当のポテンシャルを秘めています。怖い相手の1頭だと考えています」